松本山雅FCのDF田中隼磨

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[9.10 J2第32節 東京V 1-2 松本 味スタ]

 大一番とも呼べる試合できっちりと勝利を収めた。プレーオフ出場権を争う東京Vとの直接対決を2-1で制し、5位に順位を上げた松本山雅FCのDF田中隼磨は「自分たちのサッカーができた」と充実した表情で振り返った。

 昨季は苦い経験をした。シーズン中盤から自動昇格圏内となる2位以内を確保し続けながらも、残り2節となった第41節町田戦で1-2の敗戦を喫して3位に転落。最終節で順位を逆転させることができず、プレーオフでも準決勝で敗れてJ1昇格を逃した。だからこそ、強い覚悟を持ってシーズンを戦っている。

「今年は昇格できなければ何も残らないと思っているし、去年みたいな悔しさを味わいたくない」

 勝ち点を52まで伸ばしたチームはプレーオフ出場圏内となる5位に浮上するだけでなく、自動昇格となる2位福岡(勝ち点57)まで勝ち点5差に迫った。「あとは俺たちが追い上げるだけ。勝ち点3を取り続けなければ昇格できないと皆が感じている」。“追われる立場”だった昨季から、“追う立場”となった今季、上位チームにプレッシャーを掛け続け、逆転でのJ1昇格を手繰り寄せようとしている。

 プロになってから13年間、J1リーグで戦い続けた――。横浜FMユースから01年にトップチームに昇格すると、02年途中には出場機会を求めて東京Vへ期限付き移籍。04年に横浜FMに復帰して同年のJ1優勝に貢献し、09年に完全移籍した名古屋でも翌10年にJ1の頂点まで上り詰めた。13年に名古屋からの退団が発表されると、14年からは当時J2に在籍していた松本に加入し、自身初となるJ2リーグを戦って同年のJ1昇格、そして翌15年のJ2降格を味わってきた。

 J1リーグで積み重ねた出場試合数は『389』。通算出場数ランキングで25位に入る数字だ。そんな百戦錬磨の男のJ2出場試合数が、もうすぐ節目の『100』を迎える。J2通算97試合目となった東京V戦後に「もう少しで100試合かな」と苦笑すると、「うれしいのか、うれしくないのか分からない…」とチームと自身が戦っている舞台がJ1ではなく、J2という現実に少しだけ寂しげな表情を見せた。

「J2でこれだけ戦っているのは、自分的には不甲斐ないと思っている。J2というリーグをリスペクトしているけど、やっぱりJ1で戦いたい。そう思っているので、早くその舞台に行きたい」。J2リーグ残り10試合――。チーム最年長となる35歳は、チームのため、そして自分自身のため、J1昇格だけを目指して最後の最後まで戦い抜く。

(取材・文 折戸岳彦)
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