ワシントンD.C.でドイツ外交官の娘が人を刺す(画像は『NBC Washington 2017年9月5日付「Daughter of Diplomat Stabs Boy at British International School of Washington: Police」』のスクリーンショット)

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警察は迂闊に手を出せない、犯罪の現行犯であっても逮捕すらできない理由のひとつに治外法権/外交特権がある。アメリカの人々は今、ワシントンD.C.で起きたある事件について「なんと理不尽な取り決めだ」と苛立っているもよう。『NBC News』などが伝えている。

事件はホワイトハウスから4kmほど北西に位置する私立のインターナショナルスクールで5日午後1時頃に起きた。ワシントンD.C.のジョージタウンにある1998年設立の「British International School of Washington」で、12歳の少女が13歳の少年の肩をハサミの刃で2度刺したというものである。通報を受けて駆け付けたコロンビア特別区首都警察(Metropolitan Police Department of the District of Columbia)の職員によりいったんは身柄を拘束された少女だが、本人が「私の父親はドイツの外交官よ」と主張し、その確認が取れたことから警察はその身柄を釈放。起訴に向けた一切の動きを止めた。

1964年4月に施行となった外交関係に関するウィーン条約。これに定められた「治外法権/外交特権」により、接受国において外交官とその家族は身体、名誉、館邸、文書、財産に対する不可侵権を有し、刑事・民事裁判権、課税権、警察権が免除される。これが適用されることから、たとえこの少年が死亡したとしてもアメリカの検察当局はその少女の刑事責任を問うことはできない。

こうした場合の警察の対応や捜査のあるべき姿などについて、司法長官および国務省に相談してみるつもりだとしている警視正のマイク・コリガン氏。国民がこの件に関して国務省に問い合わせてみることは可能だが、現時点で加害者の少女に関する情報、犯行の動機などは「何らお話できない」と語る。ただし事件の詳細はドイツ大使館に報告されており、広報担当者も調査を開始したと発表していることから彼らの誠意ある対応に期待するのみだ。なお重傷を負った少年は「Children's National Medical Center」に搬送され、治療を受けているという。

画像は『NBC Washington 2017年9月5日付「Daughter of Diplomat Stabs Boy at British International School of Washington: Police」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)