チーバス戦に先発出場した本田圭佑【写真:Getty Images】

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パチューカは現地時間9日、チーバスと対戦して1-3と敗れた。移籍後初となる先発出場を果たした本田圭佑は、最高の働きをしたとは言いがたい。それでもこれからフィットすれば代表にとっても面白い選択肢になるかもしれない。(文:河治良幸)

徐々に出番を増やして初先発

 日本代表の本田圭佑を擁するパチューカはホームに“チーバス”ことグアダラハラを迎えた。本田は[4-3-3]の右インサイドハーフ(インテリオール)で初めてスタメンに名を連ねたが、チームは前半に3失点。後半の反撃も1点にとどまり、代表ウィークの中断明けを勝利で飾ることはできなかった。

 デビュー戦が32分、前節が45分、そしてパチューカのホームで初めてのスタメン出場となった。ただ今回はインテリオールで初めて起用されたこともあり、イメージの共有に関しては手探り状態。しかも、相手のチーバスが[4-2-3-1]で中盤をマンツーマン気味にしてきたため、本田も常にマークを背負う様な形になり、シンプルなショートパスを受けて前を向ける様な機会が少なかった。

 可能性が見られたのはサイドで起点ができた時に、タイミングよくゴール前に入っていくとクロスやリターンパスからフィニッシュに絡みやすい。そうした形から何度か惜しいシーンがあった。前半22分にはカウンターから右ウィングのウレタビスカヤから中央でパスを受けたが、縦に持ち出してのシュートは至近距離でブロックされてしまった。

 試合は序盤こそパチューカがサイドを起点に攻勢をかけたが、前半16分にCKからクッションボールに対してグティエレスとGKのペレスが交錯したところから、こぼれ球をチーバスのMFオルティスに右足で押し込まれて最初の失点。さらに31分には本田を含む中盤のプレスが縦に揺さぶられ、4対4を作られたところから細かいパスで中央突破を許し、ゴール前に侵入したMFロペスに追加点を決められた。

 さらに36分には左サイドからチーバスの10番ピサーロが高い個人技でボランチのエルナンデスと右SBのゴメスを一気に破ってマイナスのパスにつなげ、ゴール前で巧みに動き出したフィエロが左足でゴール右に流し込んだ。予想外の展開で3点をリードされてしまったパチューカ。前半の終了間際にはMFグティエレスの強烈なミドルシュートもポストに阻まれた。

まだ不十分。だが一歩前進。さらにステップを踏めるか

 後半の立ち上がりからアロンソ監督はケガ明けの“偽9番”サガルをフィゲロアに代えて投入。本田も後半のスタート前にDFのエレーラと攻撃面の連係についてディスカッションした。その効果もあってかボールの回りは良くなったが、チーバスのタイトな守備の前になかなか決定的なシーンを作れないまま、17歳のFWデラロサに代えてアルゼンチン人FWのハラが投入される。

 後半27分にはそのハラがグティエレスからのクロスに飛び込んで合わせて1点を返したものの、73分に本田が下がった後も効果的に時間を使うチーバスから主導権を奪い切れないままタイムアップとなった。前節に退場したインテリオールのグスマンが出場停止となり、本田に先発チャンスが来た。

 タイミングよく飛び出すシーンもあったが、縦横無尽に動き回るグスマンとは本質的にタイプが異なるため、十分に機能するには少し時間がかかりそうな印象も受けた。やはり組み立ての段階でより味方からパスを引き出し、そこから自身のサイドチェンジや効果的な縦パスを起点してゴール前に入っていく流れをもっと作りたいところだ。

 守備面は周囲との連係以前に、もっと運動量と厳しさも個人としてさらに上げていく必要がある。ただ、代表戦の長旅の直後に初めて[4-3-3]のインテリオールというポジションで先発したことは一歩前進と考えていい。ここで継続的に起用されていく様なら、日本代表でもインサイドの選手として見られていくだろうし、そこでの評価が招集の是非にも直結してくる。

 13日にはコパMXで2部のシマローネスというクラブと対戦するが、そこで再びインテリオールをつとめれば、カップ戦ということもあり、より決定的な仕事が求められてくる。そして、そこでの出来が次節のレオン戦の起用法にもつながるはずだ。

(文:河治良幸)

text by 河治良幸