ハナコラボ日記/諸岡なほ子の『おいしいのりもの旅』
第2回 江ノ電にのって、体にいいお昼ごはんを食べに。

いつもと違うのりものに乗って行けば、知っている場所だって新しい旅の目的地になるのかも。そこにおいしいものがあればもう最高!ということで、私諸岡なほ子がお届けする「おいしいのりもの旅」。第2回目は、夏の終わりの江ノ電に乗って海辺の景色を見ながらお出かけ。江ノ電の秘密を探りつつ、体にいい、何よりすごくおいしいという干物定食を求めて稲村ガ崎駅へと向かいました。一日乗車券「のりおりくん」600円を買って、藤沢駅から乗車。

レトロな車両で古民家を再利用した干物カフェへ

徹子、もとい、鉄子というほどではないけれど、電車の旅をしながらも、ほんのちょっとのウンチクがあるとさらに気分が盛り上がるタイプの私なので、今回はちょっと下調べをして江ノ電に乗ってみました。

でも、ウンチクの前にまずは車窓!
江ノ電といえば、路面と海。江ノ島駅〜腰越駅の区間で車の行き交う路面を走り、腰越駅を越えると右手に海。はー、景色が開ける瞬間は気持ちもパーっと広がります。大自然!というのではなく、人がいて、車がいて、海があって、そこに浮かぶ船もあるというのが、江ノ電の車窓の味わい深さ。

しかし、路面の区間に、江ノ電がかわいらしい雰囲気を残している秘密があるって、知ってました?
というのは、「江ノ電もなか」屋さんの前、龍口寺前交差点を通る時に普通鉄道で日本一小さなRのS字カーブがここにあって、そこを通り抜けるために車両の長さが12.5mと小ぶりに設定されているから。

ちなみに新幹線は25m、多くの私鉄の車両は20m前後が多いそう。そして、都電荒川線や東急世田谷線は、やっぱり同じくらいの12.5m前後。

なんてあちこち見回してウンチクをこねまわしてる間に、稲村ガ崎駅に到着。藤沢から鎌倉まで総延長10kmの中に駅が15個なので、一駅の区間が短く、駅を出たと思ったらあっという間に次の駅に着いてしまう印象です。
また、単線の区間が多い江ノ電は、ちょこちょこ駅で電車同士が待ち合わせをします。ここ稲村ガ崎駅もその待ち合わせポイント。

ふと目に止まったホームの案内板を見ると、いかにも江ノ島エリアな注意書きが満載。「水着・半裸で乗車禁止」とか「サーフボードは専用の袋に」とか。でも、砂浜も近いし、確かに注意しないと水着のまま乗ってしまいそうな雰囲気はあります。

さて、今回のおいしい目的地は、稲村ガ崎駅の小さな改札を右手に出て、徒歩2分ほど。線路沿いを鎌倉方面へとしばらく歩きます。

この線路脇に立っている小さな赤い建物が、本日の目的地、干物カフェの『ヨリドコロ』。もとは洋品店だった古民家を利用して作られた、ごはん処。朝ごはんならばなんとワンコインから食べられるのに、きちんとおいしいというお店です。

オーダーしたメニューから、最初に出てきたのはこの卵と、白と黒の二つの器。
卵は、お店の方が神奈川県内の養鶏場を全て回って食べ比べ、これに決めたという「恵壽卵(けいじゅらん)」。二つの器は、一つは白身用、もう一つは黄身用。白身をできればメレンゲ状になるまで混ぜて、それをごはんに絡ませる。そこに黄身を落として箸で崩し、醤油をかけて頂くというのが、お店の方オススメの食べ方だそう。聞くからに美味しそう。じゅるっ。

白身を小さな泡立て器で必死になって撹拌しているところに、すーっと現れた大迫力の江ノ電!
窓いっぱい。運転手さんの顔まで見えます。

そして登場、「干物定食」のさば(みりん)、1400円。
ごはんは白米か雑穀米か選べました。
では、いただきまーす!

箸を入れた瞬間からジュワッとあふれ出るさばのエキス。なんてジューシー、なんてふんわり、なんて濃い味。さばのみりん干しってこんなにおいしかったっけー。幸せー。と、一人窓際で大興奮。思わず声が出そう。
実はこちらの干物が美味しいのは、店主のご実家が干物屋さんをやっていて、おいしい天日干しの魚を仕入れているからなんだそう。納得。

このさばみりん干しの旨味がごはんをスイスイ口に運ばせるので、危うく卵かけごはんができなくなってしまいそうでしたが、なんとかごはんを節約、確保して、卵をかけてみました。それでは…。
!!!!!!
ほのかに甘い白身をまとったフワフワのごはんに、濃厚な黄身と醤油。これはおいしすぎ。おいしい上に、この恵壽卵には女性の体に不足しがちな葉酸やビタミンAが豊富に含まれているのだそう、ということで、体にもいい。

もぐもぐ興奮しているところにまたもや江ノ電がチラリと顔を覗かせてくれます。ここは駅(複線区間)に入る前にちょっと時間調節をする場所になっているみたいで、こんな風にちらっと顔を出して、一旦停止。そしてもう一度出発するので、車両観察も楽しめます。
しかもこの車両、江ノ電ファンに人気の300系!昭和31〜43年にかけてデビューしたレトロな雰囲気を残す車両です。

「鎌倉の日常を旅する」という素敵なフレーズがテーマのヨリドコロさん、おいしいし、楽しいしで、本当に素敵なヨリドコロでした。あ、お味噌汁には麹も入っていて、それもまた体に良さそうなおいしさでした。
ちなみにこちらの写真は、外のデッキのお席。涼しくなったらこちらで恵壽卵スイーツをいただきつつ、江ノ電見物も楽しそうだな〜。間違いなくまた行くな。