犬の黒目が白く濁り、だんだんと視力が弱くなっていく白内障。犬にとっても不安な病気の一つです。白内障には加齢に伴うもの以外にも、遺伝的に白内障にかかりやすい犬種というのが存在します。

今回はそんな白内障について、遺伝的に白内障にかかりやすい犬種やその予防についてご紹介します。

白内障とは?

動物はそれぞれの眼球にあるいくつかの組織を通して「見る」ことをしています。動物種によってそれぞれの組織の細胞や数の違いで「見え方」に違いはありますが、基本的な視覚の原理としては、角膜から入った光は水晶体を通過し、網膜に映されます。その光が視神経を通じて脳で認識されることで視覚が可能になります。

白内障とは、そんな視覚の際に用いられる水晶体が白く濁る状態のことをいいます。この白内障には年齢を重ねることで進行する「老齢性白内障」によるものと、遺伝や疾患との併発により進行する「若齢年性白内障」というものがあります。さらには病気からおこるものや、外傷からおこるものもあります。

老齢性白内障

その名の通り、犬の加齢に伴って発症する白内障です。水晶体の3割ほどはタンパク質で構成されています。このタンパク質が変化して白く濁っていくことで進行します。こちらの白内障は加齢以外の要因がなく、加齢によるもののため、犬種は問わずに発生します。

また、老齢性白内障と似たもので、水晶体が加齢により硬くなっていく「核硬化症」というものがあります。こちらも目が白濁しているように見えるため、白内障だと間違えやすいですが、老化に伴う症状のため、この症状だけで視力がなくなるといったことはないそうです。いずれにしても症状が見られた場合は、獣医さんの診断を仰ぎましょう。

若齢年性白内障

加齢に伴う白内障と区別して、「6歳以前」に発症する白内障を「若齢年性白内障」と呼びます。こちらは「遺伝」による要素が大きい白内障です。

「遺伝的」に白内障にかかりやすい犬種

前述したように「若齢年性白内障」は遺伝的要因で発症します。そのため身体の大きさなどは関係なく、以下のような小型犬や大型犬まで様々な犬種で発症が報告されています。

1.コッカースパニエル2.ビーグル3.ゴールデンレトリーバー4.シベリアンハスキー5.ミニチュアシュナウザー6.プードル7.ボストンテリア

しかし、上記の犬種は、若齢年性白内障の好発犬種のため遺伝的な異常はまだ確認されていないものもあります。

白内障の予防

定期健診

白内障を完全に予防することは難しいため、早め早めの獣医師の診断と定期的な検診が大事になります。特に遺伝的に白内障にかかりやすい犬種や糖尿病の犬は白内障発生の可能性が高いといえますので、定期検診は欠かさずに行いたいですね。

点眼薬

点眼薬は、白内障になっては効かず、白内障による目の炎症を抑える意味で使われます。
また、点眼薬の投与は進行を遅らせることが目的です。疑わしい場合は早めに診察を受けて処方してもらいましょう。

サプリメントの接種

食事の栄養バランスを考慮する他、獣医師と相談の上、犬用のサプリメントを取り入れることも予防の一つの方法として検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

白内障になってしまった場合、点眼薬などで進行を遅らせる内科的な治療と手術を行う外科的な治療があります。外科手術の場合、問題となる水晶体を取り除いて人口のレンズを目に入れるといった手術になるそうです。犬が老齢の場合は身体への負担が大きく、手術自体が難しい場合もあるため、飼い主と獣医師でよく話して決めることになるでしょう。

犬は視覚以外の五感も優れているため、目が見えなくても通常通りの生活をしているように見えてしまい、飼い主が気づくのに遅れてしまうケースも多いそうです。実際、犬は人間ほど視覚に頼ってはいませんが、それでも目が見えなくなる不安というのは同じです。目の白濁が見られるなどの症状を確認した場合は、自己判断をせずに早め早めに獣医師へ診断をしてもらいましょう。


(獣医師監修:加藤桂子先生)