井手口陽介(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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9日放送、日本テレビ「Going! Sports&News」には、サッカー日本代表MF井手口陽介の母・亜紀子さんが出演。W杯予選で重要なゴールを決めた井手口の秘話を明かした。

8月31日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦で、井手口は終盤に貴重な追加点を奪取。勝利と本大会出場を決定づけ、一躍ヒーローとなった。

目の前で息子が大事なゴールを決めたことに驚きつつ、涙を流して感動したという亜紀子さんは「わが子ながらカッコいい〜って」と井手口の活躍を喜んだ。

福岡で3兄弟の末っ子として生まれた井手口は、3歳からボールを蹴り始めた。小学生のときには、亜紀子さんに工事現場のコーンを買ってほしいとおねだりしたそうだ。それを縦に並べてドリブルの練習をしたという。

「楽しく考えて自分なりの練習をしていた」息子の姿を見て、亜紀子さんは福岡から大阪への移住を決意した。本田圭佑や宇佐美貴史といった名選手を輩出したガンバ大阪ジュニアユースに入団させるためだ。

母の期待に応えるように、井手口は2011年の全国大会で最優秀選手賞に輝くなど、才能を開花させていく。高校2年でトップチームに昇格すると、J1リーグで25メートル弾の初ゴールをマークするなど、活躍を続けていった。

井手口のモチベーションになっているのが、亜紀子さんの存在だ。息子を支えるために、介護士として週6日、朝から晩まで働いていたという母の苦労を知るだけに、井手口はサッカーへの想いをさらに強めていったという。「迷惑をかけた分、試合に出て活躍している姿を見せてあげたい」。

そんな井手口だけに、亜紀子さんへの感謝はピッチでのプレーだけにとどまらない。誕生日にはネックレスもプレゼントした。親孝行を忘れない息子に、亜紀子さんは「自分の思ったままやりたいことをやってほしい」とエールを送っている。

9日のヴィッセル神戸戦は1-2と敗れ、井手口も得点できなかった。だが、観戦した亜紀子さんは「いつも通りよく走って頑張っていた」と息子を称賛。「これからも結果を残せる選手であってほしい」と、さらなる飛躍を願った。