by Elena Kalis

ものすごく面白い夢を見て興奮気味に目覚めたのに、いざ人に夢の内容を話してみると全く面白がられず「へー……」という薄い反応しかかえってこなかった……という人もいるはず。夢の内容を語るのはなぜ難しいのか、どうすれば他人に興味を持ってもらえるように語れるのか、YouTubeでわかりやすく解説したアニメが公開されています。

How to Recount Your Dreams - YouTube

あなたが古びたホテルに宿泊していたら……



突然、大波が襲ってきたとします。



誰かが鉛筆を投げました。



そのとき、あなたは大きな車の後部座席で祖母と座っています。



一方で、テストを受け……



壁を上っていると……



巨大なリスに行く手を阻まれました。



そこで目が覚めます。あなたはこれまで見ていた風景が全て夢だったことを知り、「何て面白い夢なのだろう!」と興奮したり、「この夢は何か大きな意味があるはず」と感じたりするかもしれません。



そして階段を下りながら、家族や友人に夢の話をどうやってしようかと考えます。



その結果、あなたは夢の内容をありのままに話すことに。いかに夢の中でワクワクしたのか、驚きの展開だったのかを語ります。



しかし、あなたが話をしても相手はうつろな目で「へー」と返すだけだったり、「そういえばシリアルの量が少なくなっていたよ」と話を折ることも。



この原因について「夢はもともとユニークで独特なものだから、面白さが伝わらないのだ」と考えることもできます。



しかし実は「夢を語ることの難しさ」は「休日について語ること」や「子どもの頃についてどう思うか」「社会はどうあるべきか」などを語ることの難しさと同じなのです。



夢について語る時により強く実感することですが、私たちの日常の多くの物事において「他人に話を聞かせる」という行為は難しいもの。人々はもともと総じて話を聞く力が不足しているので、「話を聞かせる」ためには「ありのままに話す」だけでは不十分であり、話す側の技術と訓練が必要になります。



人は話をするとき、熱心に話すことや、話の信憑性があれば十分だと思いがち。また、自分が重要で美しいと思ったものは、すなわち他人も同様の意見を持つだろうと考えがちです。



このように独りよがりで自己中心的な感覚は、「最悪の話し手」である子どもが持つことが多いもの。子どもは「周りの人間は自分と心理的に別の場所にいて、相手のためにコンテンツを適正な長さや内容にアレンジしない限り、自分の考えを理解しようとしない」などとは考えないためです。



そして、これが「ストーリーテリングの原則」にもなります。



ストーリーテリングの1つ目の原則は、当たり前ですが「話し手は聞き手よりも先に物語を理解している」ということ。誰かに物語りを語るとき、話し手は聞き手の少なくとも5倍は話を理解している必要があります。



なので、夢を語る時も何度も反芻するなどして話をよく頭に染みこませておきましょう。



そして、物語を長くするのではなく、短くすることに、より多くの労力を割いてください。



哲学者のブレーズ・パスカルは、友人に宛てた手紙の中で「話を短くする時間がなくてごめんなさい」と記したとされています。



また、話をシンプルにすることも大切。全ての逸話はロジックによって結ばれたディテールの集積です。ストーリーを1本の木に例えるなら、枝の描写は行っても、全ての葉について描写する必要はありません。



4つ目のポイントとして言えるのは、日付・時間・行動といった事実は「感情」よりも人の興味を引きにくいということ。



逆に言うと、「感情」こそが人の興味を引きつける核心部分であり、「起こったこと」そのものの事実よりも「起こったことによってどういう感情が生まれたか」が逸話において重要になります。



私たちの頭の中のコンテンツは、それが夢でさえも、他人が理解するには「退屈すぎる」「奇妙すぎる」ということはありません。ただ私たちはまだ、他人の身に起こった複雑なできごとを親身に聞くという文化を持っていないということを、話をする時に覚えておきましょう。