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中年の貧困化が止まらない。インフレなどで相対的な給与は減り続け、転職やリストラなどで非正規雇用への転落リスクも高まる40代。その先に待っているのは、社会的孤立という名の危機的状況だ。さまざまな要因で漂流する下流中年のリアルを追った!

◆40歳をすぎた単身女性が一人で生きていくのは困難

 男性の貧困は度々話題になるが、下流化が深刻なのは女性も同じだ。「よほどの有資格者でもない限り、単身女性が一人で生きていける世の中ではない」と話すのは『最貧困女子』の著者であるルポライターの鈴木大介氏だ。

「女性の所得は40代以降下がっていくという統計がありますが、特筆すべきは、要因に結婚を考えていた相手との失恋、長く付き合ってきた相手との破局が多いことです。この孤立化の流れの中でメンタルを病んでしまい、帰れる実家や支援できる血縁がないと貧困にシフトしてしまうのがパターン化しています」

 友達や仕事仲間、さらには家族といったコミュニティが崩壊した下流中年女子には、ある共通点があるという。

「批判を恐れずに言えば、“毒親の子はコミュ障”です。子供時代からの発達の過程で極度に支配的だったり暴力的だったりする大人の下で育つと、感情を抑制しすぎたり逆に衝動的になったり、対人コミュニケーションの部分で正常に発達できていないことが多い。こうした女性は、女子集団の中では空気が読めない人として阻害されがち。しかも、そんな親には“頼りたくない”という関係性になってしまっているのです」

 独身で就活中の羽賀なぎささん(仮名・39歳)もその一人だ。

「高校1年のときに両親が離婚し、軟禁状態に近い受験教育を受けました。一流大学へ進学しましたが、卒業後、25歳のときに同人誌サークルで知り合った3つ年下の男性と同棲スタート。でも、度重なる浮気が原因で13年間に及ぶ同棲生活に終止符を打ちました」

 親とは決定的に関係性が決裂しており、友人は同人仲間がフェイスブックで数人繋がっている程度。プライドが邪魔をして誰にも相談できないという。こうした中年女性が孤立して下流化しないための対策はないのだろうか。

「ローンはしない、そして一生を共にできない男との恋愛に貴重な30代を浪費しない。実践論的には、男性比率が圧倒的に高い趣味コミュニティに属することです。オフ会の姫になって、さっさと相手を探して結婚してしまうのが安全策だと思います」

 男性以上に下流中年女子のほうが生きづらい現代社会。だが、それを非難して孤立化を深める前に、内面を磨くことが一番の解決策のようだ。

【鈴木大介氏】
ルポライター。裏社会、触法少年少女らの生きる現場を中心に取材・執筆活動を続ける。『最貧困女子』のほか『家のない少女たち』、『振り込め犯罪結社』など著書多数

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― 下流中年の危機 ―