情報を鵜呑みにしないコツは「読後感と語尾に注意する」【魂が燃えるビジネス】

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いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるビジネス」とは何か? そのヒントをつづる連載第15回

 ネットが普及して「情報」はとても身近になりました。たとえば以前なら大河ドラマの主人公が井伊直虎だと知っても、どんな人物なのかは書店や図書館に行って歴史本で調べなくてはなりませんでした。

 しかし、いまは違います。パソコンやスマートフォンで「井伊直虎 生い立ち」「井伊直虎 wiki」と検索するだけで、大筋の履歴がわかります。その履歴からドラマの結末を推測するのも難しくありません。

 だからこそ情報との接し方が重要になりました。ドラマのネタバレくらいならかわいいものですが、政治や哲学、風俗や世相といった人生に関わる内容まで簡単に調べがついてしまいます。ある物事について調べていて、気づかないうちに意見や主張を持ってしまうことほど危なっかしいことはありません。

 いわゆる情報リテラシーですが、では私たちは情報と接する際にどんなことに気をつければよいのでしょうか? それは「情報の向き」です。

 私たちは欲望を刺激されて情報に目を留めて、情報が持つ論理に従って思考を展開させます。その時に大切なのは論理の行き着く先、情報に乗った自分の思考がどこに落ち着くかです。矛盾の少ない合理的な内容は素晴らしくはありますが、一方で思考に淀みがないだけにすぎません。

 情報には多かれ少なかれテーマがあります。その額面通りに読み手を豊かにしてくれるのか。それとも読み手に与えるように見せかけて奪う意図があるのか。悪意を忍ばせた情報は珍しくありません。

 一番わかりやすいのはスパムメールの見出しです。「まだ知らないんですか?」「おめでとうございます。あなたは選ばれました」「限定20名。急いでください」といった文言は利益をチラつかせて、読み手から奪い取る意思が滲み出ています。

 また豊かになるにしても、「物が豊かになるのか、心が豊かになるのか」という向きも大切です。このズレは自己啓発の分野でよく起きています。たとえば「どうすれば幸せになれるのか?」という問いかけは心の領域です。にもかかわらず計測、計量、再現できるようにした科学によって、幸せになろうとしてもうまくいきません。

 こうした判断するのに役立つのが読後感です。スパムメールは内容を読まなくても見出しに目を通すだけでがっくりきます。そこに書き手の「奪う意図」が透けて見えるからです。その時に自らに浮かんでくる「ウザイ」という感情が読むべきではないことを示しています。

 また「こうすれば上手くいく」という再現可能を名目とする科学的な記事を読んでも、実際は何も変わらないケースがたくさんあります。そういった場合は、「なるほど」というに納得に留まるような読後感があります。あらかじめそれを察知しておけば、実践して違うと感じた時にスパッと見切りをつけられるでしょう。

 読み手に与えるのか、読み手から奪うのか。物が豊かになるのか、心が豊かになるのか。こうした情報の向きが自分の感性と一致していないと、行き着いた先で違和感を覚えます。

 とくに昨今のテレビ報道にはつまらない表現がたくさんあります。政治家の発言を取り上げて「◯◯としか思えない」とか「◯◯と思われても仕方ない」とか「◯◯のような振る舞い」といった風に、自分の意見として表明すらせずに、世論を誘導するような姑息で恥知らずな物言いが蔓延しています。

 語尾に注意していれば、どれだけ無責任にくだらないことを言っているのかがすぐにわかります。私はニュースとして扱われる政治や経済の問題に正解はないと思っていますが、少なくとも自分の意見を持たない人間のコメントに耳を貸す必要はないでしょう。

 現代では情報が溢れています。それに文句をつけても始まりません。また不利益が「ウソの情報に騙される」という単純な形ばかりとは限りません。どんなに事実に基づいた良い情報だとしても自分の感性に合わなければ、それは「やっぱり自分には違った」という回り道にしかなりません。回り道も時には勉強になりますが、現代だとそればかりになりがちです。

 情報に接した後の読後感、よりシンプルな判断としては話者や書き手の語尾に出る表現。ここに鼻を利かせて、自分の感性にマッチした有意義な情報だけを選ぶことをオススメします。

【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」