25歳は「お肌の曲がり角」、50歳は「お肌の乗り換え地点」です(写真:kou / PIXTA)

疲れがだんだん取れにくくなり、筋肉が落ちやすくなり、肌もたるんできて、一度太ったら痩せにくくなる――。50代になってそんなことを感じる女性は少なくありません。

私はエステティシャン、また、食生活指導士として、いろいろな年代の多くの方にかかわってきました。女性にとって、50代は体が大きく変わる時期だと感じています。40代の間も大きな変化がありますが、50代はさらに変化します。閉経という大きな分岐点を迎え、女性ホルモンの分泌も変わります。

40代のうちは、漫然としたアンチエイジング対策でもなんとかなりますが、50歳からはポイントを絞った、正しいアンチエイジングが必要です。時計の針は戻せませんので、体や肌の年齢を若くすることはできません。ただし、状態を若く保つことはできます。

50歳は「お肌の乗り換え地点」

たとえばお肌。25歳は「お肌の曲がり角」といいますが、50歳は「お肌の乗り換え地点」です。肌が変わります。女性ホルモンが守ってくれていた肌の「うなはだけ」が失われていきます。

「うなはだけ」とは、次の5点。美しい肌の条件です。

「う」 うるおい
「な」 なめらか
「は」 張り
「だ」 弾力
「け」 血色

一方、拙著『50代女性がもっと輝く“魔法の習慣”』でも詳しく解説していますが、お手入れ方法を上手に乗り換えると、50歳以降でも肌をきれいに保っていくことができます。

では具体的に、どのようなお手入れをしていけばいいのでしょうか。10代後半くらいから化粧水や美容液でお手入れをしている人は多いと思います。お手入れを始めた頃は、新鮮な気持ちで、自分の使っている化粧品の説明どおりにお手入れをしていたはずです。しかし、多くの方はだんだん自己流になってしまい、忙しいとついつい手を抜いてしまいがちです。

エステティシャンに肌がきれいな人が多いのは、基本を知っているからです。肌のお手入れの基本は、次の4つです。

(1)きちんと落とす・落としすぎない
(2)刺激を与えない
(3)保湿成分を補う
(4)肌の乾燥を防ぐ

必要な潤いを落としすぎないように

(1)きちんと落とす・落としすぎない

50代からは肌の水分を保持する力がなくなってきますので、必要な潤いを落としすぎないようにします。そのために、私がおすすめしているのは次の4つです。

・夜はクレンジングだけにして、お湯で洗い流す

・クレンジング剤はオイルフリーのジェルかクリームタイプ

・メイクをしていない方も、日焼け止めや油性のクリームを落とすために、クレンジングを使う

・朝は洗顔石鹸や洗顔料で洗う(※潤いを与えるタイプを使い、ニキビ肌用などの落としすぎるようなものは避ける)

おすすめのアイテムは「フェイシャルスポンジ」です。クレンジング剤や洗顔の泡を拭き取るときに使います。

エステティシャンは両手で2枚を使うのですが、慣れていない方は1枚を利き手で使ってください。力を抜いて拭き取ります。必ず水またはぬるま湯にぬらして、柔らかくして使います。使用した後は石鹸かハンドソープで洗って乾かすのがいいでしょう。硬くなってしまいますので、1カ月に1回取り換えることをおすすめします。

(2)刺激をあたえない

肌のためにできることは、「指の力を抜く」ことです。年代にかかわらず、肌をこすらないようにすることはお手入れの基本です。皮膚はティッシュ1枚と同じくらいの薄さです。そして、肌への刺激は、紫外線にあたったときと同じような状態を引き起こします。肌の奥のメラノサイト(色素細胞)を刺激して、しみができたり、くすんだりしてしまいます。

エステサロンでも、顔のお手入れのときは、お客様の肌が動かないくらいのやさしい力加減で、クレンジングやクリーム塗布を行います。

クレンジングや洗顔の後に水で洗い流すとき、ついつい指でこすってしまいます。指の力を抜いて、肌の筋肉が動かないくらいの小さな力で洗い流しましょう。

化粧水のパッティングはコットンではなく、手で丁寧に押し込みながら塗ることをおすすめします。コットンで化粧水を肌に浸透させるときは、エステティシャンは、お客様の肌が動かない程度に、やさしく肌を押す程度にしています。コットンを使用したい方は、力を加えないのが肝要です。

頰をパタパタたたくのもNG。目を覚ましたいときなどについついたたいてしまい、クセになっている方もいるかもしれませんが、今すぐやめましょう。

化粧水は保湿効果の高いものを選ぶ

(3)保湿成分を補う

クレンジングまたは洗顔後は、水分をよく拭き取って、化粧水をつけるのがいいでしょう。そのあとにつける美容液やクリームの成分が肌に浸透する呼び水となりますので、お手入れの効果が高くなります。

化粧水は50代からはアルコール、エタノールが入っていないものにして、ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなどの成分の入った保湿効果の高いものをおすすめしています。さっぱりタイプよりしっとりタイプです。オールインワンの化粧品を使っている方でも、化粧水をつけることが望ましいです。浸透がよくなりますので、肌に栄養分が届きやすくなります。

化粧水の量は少なすぎても多すぎてもいけません。化粧水の説明書を読んで適量をつけましょう。特に量の説明がない場合は、手のひらに10円玉くらいを出して2、3回に分けてつけます。

おでこ、眼の周り、頰、鼻、口周り、あご、あごの周り、耳の後ろ、首に丁寧につけます。

つけ方は、手のひら全体を使って、顔を包み込むようにして、皮膚にしみこませるようにします。こすったり、たたいたりするのはNG。しみやくすみの原因となります。コットンより手がおすすめです。手の油分や温かみで化粧水が肌になじみやすくなります。

コットンパックをする方は、3分以上はしないように。長く放置すると、吹き出物ができたり、乾燥する原因になります。

美容液をつける場合、通常は化粧水の後につけます(メーカーによっては順番が逆の場合もあります)。美容液では、肌のトラブルにあった有効成分を補うことができます。たとえば、美白、しわ、たるみ、くすみなどです。

年齢に合ったケアを心掛ける

(4)肌の乾燥を防ぐ


肌のお手入れの順番は、普通のパターンでしたら、

化粧水→美容液→クリーム(乳液)

となります。

化粧水と美容液で肌を整え、有効成分を補い、クリームの油分によってふたをします。クリームまたは乳液は油分を含んでいますので、肌の表面の乾燥を防いでくれます。

本来、肌には皮脂という油分があり、乾燥から守ってくれています。肌のバリア機能が正常に働いている方は、クリームや乳液は必要ありません。ただし、50代からは女性ホルモンの低下により、肌のバリア機能も低下します。年齢によってケアを変えていくことは、いつまでもきれいな肌を保つために必要です。