3失点すべてに絡んでしまったデゲネク。散々な出来だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

[J1リーグ25節]川崎 3-0 横浜/9月9日/等々力
 
 無敗記録が14試合(10勝4分け)で止まる大敗を喫した横浜で、もっとも低調なパフォーマンスだったのが、オーストラリア代表DFのミロシュ・デゲネクだ。
 
 まずは14分、ペナルティーエリア内でボールを右足でクリアするも、これがボテボテで大島僚太の目の前へ。そのままダイレクトシュートを叩き込まれた。5試合連続でクリーンシート中だった横浜にとっては、実に484分ぶりの失点だった。
 
 さらに57分、今度は判断とポジショニングのミスを犯す。ペナルティーエリア手前でボールを持った小林に寄せにいったCBの相棒・中澤佑二は、縦のシュートコースを切って横に相手を逃がした。おそらく「そこにはデゲネクがいる」と、そんな考えがあってのプレーだ。
 
 しかし、デゲネクは中澤の後方に動き、自分の持ち場を“捨てる”。そのオープンスペースを使われて小林に右足を振り抜かれ、ゴールネットを揺らされた。小林の後方にいたエドゥアルド・ネットのケアにいったようにも見えたが、いずれにしても中途半端な位置取りだった。
 
 そして75分、三度のミス……。相手の縦パスを処理して前方の扇原貴宏に繋ごうとするが、ボールはワンバウンドして処理しにくい高さに。案の定、扇原が中村憲剛に突っつかれてボールロストすると、デゲネクは慌てて飛び出すも横パスを許してしまう。デゲネクが前に出て空いたスペースで家長昭博がボールを受けると、事実上もはやGKとの1対1。易々と3点目を流し込まれた。

 試合後に「自分の失い方が悪かった」と振り返った扇原はもちろん、デゲネクのパスとその後の対応も褒められたものではなかった。
 
 サッカーにおいて失点は、特定の選手だけの責任ということはありえない。しかし、この日のデゲネクは3つのシーンでいずれも致命的かつ初歩的なミスを犯しており、その責任は決して小さくない。
 
 名指しこそしなかったが、横浜のエリク・モンバエルツ監督も試合後に「今日は個人のミスが多すぎた。これだけミスが多ければ結果は出せない。我々のミスから川崎に得点を与えてしまうという内容だった」とコメントしている。
 過去5試合ではクリーンシートに大きく貢献した本来のデゲネクとは、まるで別人のような集中力と安定感の欠如だった。直近のAマッチ期間でオーストラリア代表に招集され、8月31日の日本戦こそ出番なしだったが、9月5日のタイ戦はフル出場。母国から6日に日本に戻り、7日からチーム練習に参加していたものの、さすがに心身のコンディションが整っていなかったのだろう。
 
 デゲネクはゲーム後の取材エリアでも、うつむき加減でこの試合に関するコメントはなし。10月の5日と10日にシリアとのプレーオフを控えるオーストラリア代表に関する話題を振っても、「あと2試合勝つだけ。僕はチームと監督を信じている」と絞り出すのが精一杯だった。
 
 25節を終えて5位の横浜は、31得点と攻撃力がお世辞にも高いとは言えず、川崎に3発を食らったとはいえ、それでもリーグ最少の20失点という堅守が拠り所だ。しかしそれも、デゲネクがこの日のような調子では崩壊しかねない。
 
 チーム、監督、そしてデゲネクは、次戦の柏戦(9月16日)に向けていかなる修正を施してくるのか。注目したい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

【川崎 3-0 横浜PHOTO】浴衣美女も盛り上げた神奈川ダービー、付け耳姿の選手も要チェック