スタンド前にあるゴール付近の立ち見スペースで、スタートを待つ。

 コースの向こう側でゲートが開く。遠くて何も聞こえなかったものの、頭の中で「カパッ」と音がした気がした。コーナーを回り、競走馬がスピードを上げて向かってくる。「行け、行けっ!」。ファンの声が重なり、どよめきに変わる。「ドドドドドドッ」という地響きを残し、次々と目の前を馬が駆け抜けていった。迫力満点だ。

 生まれて初めて競馬場を訪れた。賭け事に興味がないわけでも、馬が嫌いなわけでもない。機会がなかっただけにすぎない。日本中央競馬会(JRA)の新潟競馬場は国内で唯一、1000メートルと長い直線コースを持ち、芝の外回りAコースは1周2223メートルと国内最長。百聞は一見にしかずと、夏競馬の最後を飾る重賞レース「新潟記念」の日に足を運んだ。

 「コースに多様性があり、ファミリーで遊びに来られるお客さまの割合が全国の競馬場の中で最も高いのが特色です」。JRAの後藤正幸理事長(65)はこう解説する。ゴーカートやミニ新幹線といったアトラクションを備え、ポニーとの触れ合いも楽しめるとあって、ミニ遊園地としても利用されているようだ。

 業務エリアを訪れる「バックヤードツアー」にも参加した。地下馬道で出走に向かう競走馬を間近で見ると、大きさがよく分かる。騎手や各装備など馬の負担になる重さを、検量室でしっかりチェックしている様子もうかがえた。

 競馬新聞を何紙か見比べて研究し、マーク式のカードを手にして意中の馬の番号を塗りつぶした。1着を予想する「単勝」で、1レースだけ当たった。ただ、臆病者なので実際には馬券は購入していない。それでも楽しかった。(村山雅弥)

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 ■新潟競馬場 新潟市北区笹山3490。関屋競馬場として現在の同市中央区に整備され、明治41(1908)年に初レースを開催。昭和40年7月に現在地に移転・開設した。無料のシニア席を含めて計1481席あるスタンドの指定席は100円の入場料を含めて500円から。パソコンとコンセントが付いた2人掛けは1人2500円。営業時間はレース開催日が午前9時〜午後5時、平日は午前10時〜正午と午後1〜4時(月・火曜、祝日などを除く)。(電)025・259・3141。