バロテッリの2発などで大敗を喫したモナコ。次週からはチャンピオンズ・リーグも始まるが、早急に立て直せるか? (C) Getty Images

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 9月9日(現地時間)、欧州各国でリーグ戦が行なわれたが、いわゆる5大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、フランス)のうち、3つのリーグで昨シーズンの王者が辛酸をなめるという波乱が起こった。

 プレミアリーグではチェルシーがレスターを2-1で下し、セリエAではユベントスがキエーボに3-0の完勝。と、ここまでは順当な結果だが、まずリーグ・アンでモナコが信じられないような大敗を喫した。
 
 2節でマルセイユを6-1と完膚なきまで叩きのめして開幕4連勝を飾っていた王者モナコだったが、敵地に乗り込んでのニース戦では、開始6分にシディベがバロテッリを倒してPKを献上。これをバロテッリに決められて早々に失点を喫する。
 
 ニースは4節まで1勝3敗と不調に陥っていたが、バロテッリが今シーズン初めてスタメンに名を連ねたこの試合ではカウンターが冴え渡り、18分にはスルーパスで抜け出したプレアが2点目を挙げる。
 
 後半もモナコの攻撃の間隙を縫って効果的な逆襲を仕掛けたニースは、60分、右SBのスケがグラウンダーのクロスを入れると、逆サイドにフリーで走り込んでいたバロテッリが2点目をマーク。さらに85分には、やはりカウンターからガナゴが縦パス1本で抜け出し、GKをかわしてダメを押した。
 
 モナコは今夏、多くの主力選手を放出したものの、それはマルセイユ戦の時点でほぼ完了しており(在籍していたエムバペも欠場)、決して戦力低下が原因ではない……。
 
 続いて、リーガ・エスパニョーラでは、昨シーズンの優勝チームであり、欧州王者でもあるレアル・マドリーが沈黙した。前節でバレンシアに先制するも逆転を許し、83分のアセンシオの2点目のゴールで辛うじて引き分けたマドリーは、再び格下レバンテにもホームで取りこぼした。
 
 今回は12分、ロングスローからDFのミスもあってイヴィ・ロペスに先制ゴールを決められ、36分にCKからS・ラモスのヘッドをGKが弾いたところをL・バスケスが詰めて同点としたものの、残りの時間で二度とゴールネットを揺らすことはできなかった。
 
 しかも終了間際には、マルセロが強烈なシュートを放った後、相手ともつれた際に蹴りを見舞って一発退場を食らうという余計なおまけ付き……。
 
 欧州スーパーカップ、スーペルコパと、チームの成熟ぶりを感じさせての快勝でタイトルを勝ち取った今夏のマドリーだが、リーガでは足踏み状態が続いている。エースのC・ロナウドが欠場したとはいえ、その行方には暗雲が垂れ込めていると言えよう。
 
 そして最後の波乱は、ブンデスリーガで起きた。クラブの新記録となる3シーズン連続での開幕3連勝に挑んだバイエルンだったが、ホッフェンハイムに0-2の敗北を喫したのである。
 
 昨シーズン、青年監督ナーゲルスマンの下で快進撃を見せたホッフェンハイムは今夏、バイエルンにルディ、ジューレという主力を引き抜かれていたが、その穴をしっかり埋めてシステマチックなプレーを見せ、28分にウートが先制点を挙げる。
 
 このゴール、クリアしたフンメルスが背を向けている隙に、ホッフェンハイムのクラマリッチがすぐにスローインを入れたことで、ウートがフリーで抜け出し、ノイアーの牙城を崩すことができた。相手を出し抜いた、まさに、してやったりの一撃だった。
 
 さらに51分には、アミリのパスで抜け出した左サイドのツバーがマイナスに折り返すと、中央でウートがフリーで待ち受けており、難なく2点目。リードを広げたホッフェンハイムは、残り時間でDF陣が再三のピンチを防ぎ、クリーンシートでの勝利を飾った。
 
 なお今節、ブンデスリーガでは首位のドルトムントも、前半の早い段階でひとり少なくなったフライブルクを攻めあぐね、1点も奪えないまま勝点1を分け合っている。
 
 奇しくも同じ日に起こった波乱の数々。これは、来週から始まるチャンピオンズ・リーグが影響している可能性もある。これらの結果が、今後の各チームの動向やリーグの行方に即大きな影響を及ぼすことはないだろうが、ピッチ上でのサプライズは、今後も頻発するかもしれない。