元SMAPの稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんの3人が9月8日をもって、ジャニーズ事務所を退所しました。芸能界を代表する名グループだけに、SMAP解散、そして3人の退所はファン以外の注目度も高く、連日芸能ニュースをにぎわせています。ジャニーズを辞めたことである意味、在籍時よりも3人の今後の活動に対する期待感が高まっている状況と言えるでしょう。

メンバーのスター性と存在感

 草なぎさんが出演する「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)、「ブラタモリ」(NHK)のナレーション、稲垣さんの「ゴロウ・デラックス」(TBS系)は継続することが決定しています。香取さんの「SmaSTATION!!」(テレビ朝日系)は9月で終了しますが、それぞれに今後の新しい活動が期待されます。

 SMAPほど期待感を高めてくれるグループはそう多くはありません。メンバーそれぞれのスター性、存在感とアピール力。筆者がSMAPを意識し始めたのは、「桜っ子クラブ」からですが、女性アイドル狙いで見た番組でSMAPに引かれるという体験をしてしまいました。SMAPが素人の出演者たちとガチンコ勝負をする企画がありましたが、そのうちの騎馬戦がすさまじかった……。

 ファンなら誰もが知る“名場面”ですが、騎馬戦なのに膝を入れてくるなど素人側のダーティーなファイトにエキサイトしたのでしょう、草なぎさんが相手にミドルキック、森さんがなんとハイキックを放つという熱さ。蹴りもフォームがきれいで腰の入ったものでしたが、それ以上に、青年期特有の爆発力を隠さない自然体のSMAPを「何か面白いことをしてくれるのでは」と期待するようになったのを覚えています。

 混乱する現場を、カメラに近寄り笑顔で収拾しようする香取さん、少し離れたところから状況を冷静に見守る稲垣さん、蹴りを放った草なぎさんやその他のメンバーも含めて、ハプニングの中でそれぞれの個性を垣間見ることができました。

SMAPの転機となった2009年

 木村さんが「あすなろ白書」などのドラマ、中居さんが司会など、特技を発見して世間の注目を集める一方、稲垣さん、草なぎさん、香取さんもそれに負けず劣らず、それぞれの存在感がSMAPというグループを稀有なものにしてきたのでしょう。SMAPが力を発揮し、ファンが期待を抱き、SMAPがさらに力を発揮してその期待に応える。さらにファンの期待が膨らむ。さらにSMAPが力を発揮する。その好循環が芸能界を牽引してきた部分が大きいと思います。

 芸能ニュースを取材する立場からすると、SMAPの転機として考えられるのが2009年です。草なぎさんが泥酔して騒動を起こしてしまった年としても記憶に残りますが、当時筆者の周辺では「SMAPは解散するのでは」と予測する業界人もいたのです。デビュー10周年を迎えた「嵐」の台頭が目ざましかったからです。嵐はこの年、オリコンの年間ランキングでシングル、アルバム、ミュージックDVD、ミュージックBDも含めた総売上額1位でした。その額は実に140億円とも。

 それはたまたまではなく、ジャニーズ事務所の仕掛けで次々と型破りな企画を集中させた成果だったのです。東京・国立競技場で3デイズ、全国5カ所のドームコンサート、そして東京ディズニーシーを借り切って3525組7050人を招待し、ディズニーのキャラクターとコラボしたプレミアムなショーを披露するなど、怒とうのような「嵐激押し」に一部SMAPファンからは「嵐ばかり押されている」と苦言が出る有り様でした。

「ジャニーズもいよいよ世代交代か」「嵐がSMAPに取って代わるのでは」といったうわさも出ました。しかし、そんな激動の2009年でさえ、SMAPの存在が揺らぐことはなかったのです。嵐も素晴らしい活躍と実績で“嵐時代”を勝ち取り、紅白歌合戦出場を現実のものにしましたが、SMAPと交代したわけではありません。SMAPも晴れ舞台から消えることなく、変わらず紅白出場、ジャニーズの出演枠は2枠から4枠へと増えたのでした。

解散は新たなドラマの始まり

 そのSMAPの存在感とアピール力を支えたのは一人一人のメンバーです。グループとしては成熟し、解散という区切りを迎えましたが、SMAPの解散は新たなドラマの始まりでもあります。語弊を恐れずに言うならば、解散さえも単なる一章にしてしまう、そう思えるくらい、一人一人が強いのです。

 稲垣さん、草なぎさん、香取さんの3人はジャニーズ事務所を退所しましたが、今後どうなっても、それぞれの存在感とアピール力が揺らぐことはないでしょう。一部情報番組などでは早くも、記者会見か何か、近々3人からうれしいアクションがあるという情報が浮上しています。

 やっぱりまだまだ、SMAPなのです。個々のメンバーの活躍をファンも芸能界もマスコミも、誰もが放っておけません。

(ライター、フォトグラファー 志和浩司)