土俵祭りに参加した高安。3横綱不在の中、大関が主役を担う(撮影・加藤圭祐)

写真拡大 (全2枚)

 大相撲秋場所は10日、東京・両国国技館で初日を迎える。9日は三役以上の力士らが場所中の安全を祈願する土俵祭りが行われ、大関昇進2場所目となる高安(27)が全勝Vを目標に掲げた。人気の兄弟子・稀勢の里(31)、2場所連続優勝の白鵬(32)、そして鶴竜(32)の3横綱が不在。その非常事態は、初Vへの“追い風”だ。

 俺に任せろ! 静かな口調に自信がみなぎる。3横綱が休場の秋場所。初日を翌日に控えた土俵祭り後、高安が主役に名乗りを上げた。

 「身が引き締まった。一人の力士としてベストを尽くすだけ。初日からいい状態で迎えられる」

 日本出身の平成生まれでは初めて大関となった名古屋場所は、9勝6敗と不本意な成績だった。重圧とも闘った先場所。だが、今場所は違う。「一回経験したし、考えることもたくさんあった。そこを踏まえて、稽古もやってきた」。2日には大関昇進披露パーティーも終え、「一段落ついた」と相撲だけに集中できる環境も整った。

 夏巡業では阿武咲ら若手を指名し、汗を流してきた。積極的に出稽古も積み、兄弟子の稀勢の里が初日から休場する初めての事態にも「自分の相撲を取りきることを心に置いてやる」と不安はない。

 目指すものは不変だ。今場所も目標は全勝V。「それが最終目標だから」。昭和以降では初となる初日からの3横綱不在。八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱との対戦が少なくなるから、関脇以下にもチャンスが出てくる」と“荒れる秋”を予想するが、下克上を許すつもりはない。

 懸ける力士を指定する懸賞本数は、稀勢の里休場による変更で高安がトップになった。現在の横綱大関で優勝経験がないのは高安だけ。“負のレッテル”を返上する最大のチャンスがやってきた。 (臼杵孝志)

★「やむを得ない」

 土俵祭りに出席した横綱審議委員会の北村正任委員長は、3横綱休場について「やむを得ない」と言及。稀勢の里については「万全でないなら出ない方がいいという意見が横審では強い」と明かした。名古屋場所で通算最多勝利記録を更新した白鵬への特別表彰として、記念の書を贈呈することも発表した。