【北京=西見由章】北朝鮮による核実験を受けて国連安全保障理事会が昨年、核・ミサイル開発に応用可能な分野の北朝鮮人への専門教育を禁止した後も、中国の大学が北朝鮮の機械工学研究者らを受け入れていたと米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

 国連安保理は昨年3月に採択した制裁決議で、全ての加盟国に対して北朝鮮の「核活動および核兵器運搬システムの開発に寄与し得る分野」で同国民への専門教育・訓練を実施することを禁止。対象分野として原子力工学や航空宇宙工学、応用物理学などを挙げた。昨年11月の対北制裁では先端の材料科学や機械工学、電気工学も明記された。

 7日付のWSJによると近年、数百人の北朝鮮人科学者が国外に留学しており、そのうち多くが北朝鮮の軍事計画に関係する分野を研究。中国の国防や宇宙開発部門の研究も担う黒竜江省のハルビン工業大学では制裁決議後も、電子機械工学の博士課程で北朝鮮人研究者が学んでおり、今年3月には中国で論文も発表していたという。

 この研究者は中国政府の奨学金を受けてハルビンで4年間生活したが、今年6月に他の北朝鮮人研究者11人とともに帰国。制裁決議と無関係の学科に転籍した研究者もいるという。

 ハルビン工業大のサイトによると、同大は2011年に平壌の金日成総合大学と「友好協力関係」を結んだ。金日成総合大学の幹部がたびたび視察や交流に訪れていることも確認できる。

 中国外務省の耿爽報道官は今月7日の記者会見で、WSJの報道について「状況を把握していない」とする一方、「中国側は一貫して全面的に、正確に、真剣に、厳格に安保理の決議を履行している」と強調した。