【アウディ Q2試乗】1リッター3気筒でも走りは活発!上質感は1クラス上

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「型破り」……。2017年6月に上陸した注目のコンパクトSUV=アウディ「Q2」には、そんなコンセプトが掲げられています。

確かに、アウディが“ポリゴン(多面体)”と呼ぶ直線的な面と曲面とを複雑に組み合わせたエクステリアデザインは、従来からの同社ラインナップの中でも異彩を放つもの。ただし、大胆なデザインの車種が多い昨今のコンパクトSUVの中では、むしろおとなしめの部類に入るのでは? と思えるほど。

実際にドライブしてみても、“異端”というより、予想以上の完成度の高さを感じられるモデルでした。

Q2のボディサイズは、全長4200mm、全幅1795mmと、アウディのSUVとしては最も小さいもの。全高も1500mm(オプションの純正ナビ“MMIナビゲーションシステム装備車”を装着するとプラス30mm)と、パレット式の立体駐車場にも停められるサイズになっています。最小回転半径も5.1mと、比較的小回りが効くので、都市部で大きなSUVを乗り回すことに抵抗がある人でも、十分に許容できるサイズだと思われます。

パワートレインは、先日、試乗レポートをお伝えした150馬力の1.4リッター4気筒ターボと、116馬力の1リッター3気筒ターボというラインナップ。

今回ドライブしたのは後者でしたが、この3気筒エンジンが予想以上によくできていて、車両重量1310kg(「1.0 TFSIスポーツ」)のボディを気持ち良く加速させます。高速道路で追い越しをかけるような場面でも、パワー不足を感じることはほぼ皆無。これは、乾式クラッチを採用したデュアルクラッチ式のトランスミッション“7速Sトロニック”が、良い仕事をしていることも要因でしょう。

ちなみに、アルミ製クランクケースを採用した1リッターエンジンの単体重量は88kg、そしてトランスミッションも同70kgと、パワートレインにおいてかなりの軽量化を果たしています。

SUVと聞くと、舗装路における走りがバタバタしているといったイメージを抱く人もいるかもしれませんが、そこはさすがにアウディ。Q2は剛性感も高く、コーナーリングのロールも良い具合に抑えられています。高速道路の継ぎ目を越えるようなシーンでも、不快な突き上げはなく、きちんと衝撃をいなしてくれます。

もちろん、上位カテゴリーの「A4 オールロード クワトロ」などと比べると、低速で路面の荒れた部分を通過する際に伝わってくる振動が大きめに感じられることもありますが、速度が乗ってくるとそうした振動が抑制されてくる辺りは、さすがドイツ車といった印象です。

インテリアも、エクステリアと同じく、ポリゴンをモチーフとしたデザインとされていますが、それほど奇をてらったところはありません。あえていえば、ダッシュボードにタブレット端末をセットしたようなインフォテイメントシステムが目を引くくらい。

最も多面体的なデザインに見えるシートはホールド感がよく、SUVとしては着座位置が低めなこともあって、スポーティな気分でドライブできます。コーナーリングでのロールが抑えられていることと、このホールド性の高さで、峠道や都市高速のタイトなカーブでもやる気にさせてくれます。

コンパクトな車体であってもラゲッジスペースは十分な容量が確保されており、5名乗車時で405Lと十分な大きさ。6:4分割可倒式のシートを倒せば、最大1050Lまで拡大できます。また、ラゲッジスペースのサイドウォールがフラットで荷室自体がスクエアゆえ、使い勝手も良さそうです。

1リッターのTFSIエンジンを搭載したモデルは、299万円から。国産のコンパクトSUVに対しても、十分競争力のある価格タグといえます。それでいて、ピシッと芯が通ったように感じられる剛性感の高いボディを活かした走りは、欧州車らしい上質なもの。特に高速域では、その差を顕著に感じられます。街乗りしやすいコンパクトなSUVを求めているが、週末などは高速道路を使って遠出もしたい……。そんなユーザーには、かなり魅力的なモデルだと思います。

個人的にちょっと残念なのは、本国では用意されるクワトロ(フルタイム4WD)仕様が、日本ではまだラインナップされていないこと。SUVというからには雪道も積極的にドライブできないと……という人は、クワトロ仕様の登場を期待して待ちましょう。

<SPECIFICATIONS>
☆1.0 TFSIスポーツ(MMIナビゲーションシステム装備車)
ボディサイズ:L4200×W1795×H1530mm
車重:1310kg
駆動方式:FF
エンジン:999cc 直列3気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7AT(Sトロニック)
最高出力:116馬力/5000〜5500回転
最大トルク:20.4kg-m/2000〜3500回転
価格:364万円

(文/増谷茂樹 写真/&GP編集部)