業務用食品市場、16年度は3兆8342億円 人手不足背景に5年連続増

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 矢野経済研究所は7日、「業務用食品市場に関する調査(2017年)」の結果を発表、2016年度の業務用食品市場規模は、前年度比1.1%増の3兆8,342億円と5年連続で増加した。

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 調査結果では、この結果を顧客層である、外食と中食市場における需要増加が原因であると分析している。純粋に中食(惣菜)の需要増加も存在するが、さらにもう一つあるのが、外食、中食、給食事業者での少子高齢化による人手不足だ。そのため、調理現場での簡便化・時短化・省力化を求めた結果、人手不足対応製品の需要が伸び、今回のような市場規模増加に繋がったのではないかとしている。調査結果では、外食事業者、ホテル・店舗の調理現場において、人手不足の問題が今後も続くことが予想されるため、市場規模が増加すると予測している。

■業務用食品市場規模は、継続的な増加傾向にある

 今回の調査は、2017年5月〜7月に、食品メーカー、業務用食品卸売業者、外食事業者、ホテルなどを調査対象として、矢野経済研究所の専門研究員らが電話などによるヒアリングや、企業アンケート調査をおこなったもの。

 調査結果によると、2016年度の国内業務用食品市場規模は、メーカー出荷量ベースで前年度比1.1%増の3兆8,342億円としている。過去の市場規模推移を振り返ると、2015年度は同1.6%増であったものの、それ以前は2012年度以降、前年度比1%以内の増加に収まり続けていた。そのため、今回の結果は、十分大きな増加とも言え、増加傾向が継続的であることを示すものと言える。

■市場規模増加は、顧客のニーズにある

 調査結果では、今回の業務用食品市場規模の増加原因を次のように分析している。2014年度ごろから進行している円安による輸入原材料の価格上昇、食品スーパー、コンビニエンスストアなどの惣菜の需要増、そして、業務用食品業界の顧客層が抱える問題だ。

 業務用食品業界の顧客層のメインは、外食事業者、中食事業者、給食事業者、食品加工業者だ。こうした現場では、少子高齢化における人手不足が深刻化している。そのため、調理や食品加工の現場において、簡便化、省力化、時短化が求められる。この結果、キット商材(複数原材料を予めカット・ミックスした製 品)や完調品(完全調理済み食材)の需要が伸びるというわけだ。

 今回の調査では、外食事業者・ホテルなどへも調査がなされており、深刻度や対策はどうであれ、事業者の多くが人手不足そのものは感じているとの結果が出た。同様に、業務用食品メーカーへも、人手不足対応製品の有無とその手応え感の調査も行われている。その結果では、7割近くが、人手不足対応製品を用意しており、その全てが、程度の差はあれ、ユーザーの反応に手応えを感じているとのことだ。

 調査結果では、外食事業者、ホテル・店舗の調理現場での人手不足は、今後も続くと予想。こうした需要を背景に業務用食品業界の市場規模は微増が続き、2020年度には、3兆9,508億円まで拡大すると予測している。