Twitterで「前原 菓子パン」を検索すると、頻繁にこのネタがツイートされているとわかる。秘書が買ってきた菓子パンを「菓子パンなんか2個も食えるか」と怒鳴り散らしてゴミ箱に捨てたという、前原誠司の逸話だ。

「前原 菓子パン」のネタ元は週刊文春2007年10月18日号。以来、たゆむことなく語り続けられている。いわば現代の古典である。


「週刊文春」2007年10月18日号「小沢一郎 岩手を離れ『東京出馬宣言』」より。キャプションに“菓子パンマン”とある

 その前原が今月、民進党の代表となった。

 代表に選出されるなり、前原はいきなりすっ転ぶ。きっかけは文春、今週号の右トップ「山尾志桜里 イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」はその顛末である。

東大法学部、司法試験合格、IT実業家と結婚

 前原体制の目玉として、「山尾幹事長」を決めたものの、その後、撤回。代表代行に差し替えるも、それも取り止める。こうした右往左往の背景には、文春がつかんだ山尾志桜里の不倫があった。


2009年の山尾志桜里 ©山田真実/文藝春秋

 山尾は、トヨマユ先生と同じく、1974年生まれの東大法学部出身。大学卒業後に司法試験に合格し、検事となる。いわばエリートだ。その後、民主党が大勝する2009年の衆院選で当選して、国会議員に。またIT実業家と結婚し一児の母親でもある。

 それが、9歳年下の男と不倫である。お相手はイケメン弁護士で、記事によると「企業コンサルタントや離婚・男女問題」を得意にするそうだ。ちなみに今週号で文春の突撃取材を受けている、“ゲス不倫”の宮崎謙介は現在、「神社仏閣再生コンサルタント」である。

 このエリート不倫カップルの逢瀬を、文春はわずか1週間に4日も確認する。おかげで誌面は、イタリアンレストラン、男性のマンション前、高級ホテル、アウディの車内、新幹線の車内での二人の姿を捉えた写真で飾られている。

新幹線の中では、聡明で気高そうな山尾までもが

 なかでも新幹線車内の二人の姿は、否応なしに今井絵理子の手つなぎ不倫を彷彿とさせ、記事でも「グリーン車では手こそ繋ぐことはなかったが、並びの席に座り、アイスコーヒーを片手に見つめ合いながら談笑」とわざわざ述べられている。


山尾までもが陥った、新幹線の心地よさ

 そんな風に新幹線内でいちゃつくも、「二人の雰囲気は品川駅到着後に一変」する。記事には山尾は港南口に、男性は高輪口に向かい、別々に行動して同じホテルで落ち合い、ベッドが一つしかない部屋に宿泊したとある。

 降車してからひと目を気にしたようだが、裏をかえせば、新幹線内では気にしなかったということだ。

 今井絵理子といい、山尾志桜里といい、新幹線の中では、警戒心がすっかり解けて、二人だけの世界にいるような気になってしまったのか。松本人志は新幹線での今井の寝姿を「ヤンキーカップルでもあんな寝方しない」と評したが、聡明で気高そうな山尾までもが……。


2009年の今井絵理子 ©杉山拓也/文藝春秋

VIPが素の表情を見せるとき

 フォーカスやエンマなどの写真週刊誌で活躍した、井上和博というカメラマンがいる。中川一郎の立ち小便写真が有名だ。井上は、政治家にお願いしては、風呂に入っているところを撮影していった。どんなVIPであっても、風呂や奥さんと一緒の時、小便をする時には、リラックスして、素の表情を見せるからだという。 (注)

 新幹線は、エリートであれ、元アイドルであれ、衆人環視にあることを忘れさせ、うっかり男女の関係性をあらわにしてしまう。日本が世界に誇る新幹線が、いかにリラックスできる空間であるかの証左とも言える。新幹線設計者にとっては、これもひとつの栄誉かもしれない。

(注) 井上和博『時代を喰った顔』中央公論新社・2002年

(urbansea)