大相撲ブーム真っただ中のいま、力士とねこの夢のコラボレーションが見られると評判なのが、元小結・大豊が師匠を務める荒汐部屋だ。現在、前頭の蒼国来はじめ12名の力士が日々、相撲道に精進している。

 迫力ある朝稽古の様子は、多くの外国人観光客が見学に訪れる。その稽古を窓際で見守るのが “ねこ親方” モルだ。もちろん、モルも観光客の人気者。目の前にカメラが迫っても、ゆったりと毛づくろいする貫禄を見せつける。

「モルは力士に負けず劣らず、肝が据わった子。稽古場では、座布団の上でおとなしく稽古を見ているよ。邪魔をすることは、まずないね」(荒汐親方)

 モル親方は九州出身。12年前、九州場所の千秋楽後、借りていたアパートを片づけている最中、玄関の前にちょこんと座っていた。おかみさんが思わず部屋に上げ、そのまま一晩過ごしたところ、愛着が湧いてしまったという。

「『モル』はモンゴル語で『ねこ』。中国・内モンゴル自治区出身の蒼国来が名づけ親です」(おかみの鈴木ゆかさん)

 今、部屋でモルをいちばん可愛がっているのは、序二段の廣瀬。

「モルは毎朝5時に寝床を歩いて、みんなを起こしてまわるんです。可愛いですが、目覚まし前に起こされるのはちょっとキツいですね(笑)」

 部屋には、モルの後にやってきた、ムギもいる。シャイな性格で、ふだんは力士たちが生活する部屋からほとんど出てこない。ムギがもっとも心を許す相手が、幕下の福轟力だ。

「ムギの居場所は、自分の布団の上。寝ていると、しっぽが顔の上に乗っていることも(笑)。稽古から戻ってムギの顔を見ると、ほっとしますね」

 モルが来て以来、部屋には弟子志望者が続々と集まるようになったという。

「まさに招き猫。荒汐部屋になくてはならないメンバーです」(おかみさん)
(週刊FLASH 2017年6月13日号)