伝統的な木桶(きおけ)仕込みの醤油(しょうゆ)を後世に伝えようと、江戸時代に創業した川島町の老舗醤油醸造「笛木醤油」(笛木正司社長)で、桶職人による新桶作りが進んでいる。

 9日には完成し、同日行われる同社の創業祭でお披露目される予定だ。

 木桶は高さ、幅とも約1メートル。33枚の吉野杉の板を竹くぎでつなぎ、竹ひごを編んだ7本の竹たがで締め、杉の底板を竹くぎで打つ昔からの製法で作る。出来高で約500リットルの醤油ができる。完成後は塩水を入れ、水分を含ませてから醤油を仕込む。

 小型の桶を作る職人は多いが、大型の木桶を作る職人は全国でもほとんどおらず、技術の継承が課題。同社で木桶を製作しているのは、数年前に発足した「結い物で繋ぐ会」(事務局・大阪)のメンバー4人。

 棟梁(とうりょう)の原田啓司さん(33)は普段は徳島県で小型の桶作りをしており、本格的に木桶作りを始めて3、4年。「まだ経験不足で、僕らの桶は見ると組んだと分かるが、100年、150年の古い桶は1本の木に見える。桶は作る人と直す人が地元にいれば使い続けることができ、寿命が延びれば延びるほどいい道具になる」と話す。現在、埼玉県出身の女性が弟子入りしており、今後は全国に増やしたいという。

 笛木醤油の木桶はこれで40本目。新桶は来年2月、小川町の在来種「青山在来大豆」を使って濃い口醤油を仕込む予定。ふた夏ほど寝かせ、平成31年秋以降に販売したいとしている。