日本を代表する避暑地として知られる軽井沢町。

 町民のみならず別荘で暮らす人たちや観光客らを北朝鮮の弾道ミサイルから守る取り組みを積極的に進める。平成23年2月から町政のかじ取りをする藤巻進町長(66)に理由や狙いを聞いた。 (太田浩信)

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 −−住民保護に取り組み始めたのは

 「住民を守る町としての姿勢を、約3年前から議会に示してきた。北朝鮮を取り巻く情勢はいまほど緊迫しておらず、一部には『北朝鮮が本当に攻めてくると思っているのか』などと強い反発もあった。現在は、深刻な状況だとの認識が広がっている」

 −−住民保護の意義は

 「軽井沢には、住民だけでなく、別荘で過ごす人たちや観光客が大勢いる。平等に守り、避難施設の周知を図ることが行政の責務である。住民意識を高めたい。自然災害対策でもやっていることである」

 −−国に頼っているだけでは安全は確保できない

 「まずは自分の命を守る。それから家族や住民を守る。町の中で助け合いながら、犠牲者を出さないことが大切だ。例えばスイスは、防衛に限らず自分で自分を守るという意識が徹底している。今回の全国瞬時警報システム(Jアラート)でも、『どこに避難したらいいか分からない』という批判があった。国がすべてやってくれるわけではない」

 −−これからの町の取り組みは

 「住民らが避難できる頑丈な場所を町として確保する。旧JR信越線のトンネルの活用はもちろんだが、町内にあるホテルや保養施設など頑丈な建物をピックアップし、有事の際に使わせてもらうよう、お願いをすることを計画している」

 −−住民保護の取り組みに対し、町議会の一部には反発があるようだが

 「『防衛』にはナイーブな部分があり、自治体トップが何か言うと、政治生命が終わってしまう騒ぎになるのはおかしい。平和でないと困るが、備えないことが平和であるかのような風潮になっている。平和を守ることと、備えることを同時にしなければならない」

 −−取り組みが鈍い自治体も多い

 「他の自治体のことをいえる立場ではないが、ものすごく鈍い気がする。町の姿勢を示すことが、住民らの安心につながる。行政としてできることを行うべきだ」