[写真]故金日成主席の生誕105周年式典の軍事パレードでも多くのミサイルが披露された(ロイター/アフロ)

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 北朝鮮のミサイル発射と核開発は、金正恩体制になって加速しています。核弾頭の搭載可能な弾道ミサイル開発へ向け、金委員長の下、核実験は4度強行。ミサイル発射実験も繰り返し、新型ミサイルや大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を成功させました。近い将来に北朝鮮のミサイルが米本土に到達する能力を持つとの指摘もあります。

 9月9日は北朝鮮の「建国記念日」で、新たな挑発に各国は警戒を強めています。北朝鮮の核・ミサイル開発の歴史を簡単にまとめました。

●日本上空は過去5回通過

 8月29日早朝、北朝鮮から発射された弾道ミサイルは、北海道上空を通過し、北海道襟裳岬の東約1180キロの太平洋(日本のEEZ外)に落下しました。

 北朝鮮のミサイルが日本上空を通過したのはこれまでに5回。

 1998年8月31日に長距離弾道ミサイル「テポドン1号」の一部が日本上空を通過したのが初めてでした。2度目は2009年4月5日で、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」またはその改良型が秋田、岩手県上空を通過。この発射に備え、政府は初の「破壊措置命令」を発令しています。

 2012年12月12日と2016年2月7日には、ともに長距離弾道ミサイル「テポドン2号改良型」が沖縄県上空を通過しました。このテポドン2号改良型の射程は、米国の中西部に到達できる1万キロに及ぶ可能性があるとみられています。

 ちなみに、全国瞬時警報システム(Jアラート)は、沖縄上空を通過した上記2回と今年8月29日の計3回発令されています。

 日本上空を通過するだけではなく、日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾するケースもあります。2016年8月3日には、2発の中距離弾道ミサイル「ノドン」のうち1発が秋田県男鹿半島沖のEEZに、同年9月5日には3発のミサイルがEEZに着弾しました。

●核実験は計6回

 9月3日には、6度目となる核実験を行いました。この実験は過去最大規模とみられており、気象庁は前回実験の10倍以上と分析しています。北朝鮮は「ICBM搭載用の水爆実験に完全に成功した」と発表しました。

 初の地下核実験が行われたのは、2006年10月9日。場所は北朝鮮北東部の豊渓里(ぷんげり)でした。核実験はその後もここで行われ、2009年5月25日、2013年2月12日、そして2016年には1月6日と9月9日と続きました。それぞれテポドン2号やその改良型、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射から数か月以内に実施されています。

 4度目にあたる2016年1月の実験では、「初の水爆実験が成功した」と北朝鮮側は発表。5回目の同年9月実験では、核弾頭の小型化に成功したと主張しました。

●進歩する技術、SLBM、ロフテッド軌道

 核開発だけではなく、ミサイル技術も急速な進歩を遂げているとみられています。

 2016年には、テポドン2号改良型、ムスダン、ノドン、スカッドのほか、SLBMという5種類のミサイルを発射しました。スカッド、ノドン、ムスダンは移動可能な発射台付き車両から、SLBMは潜水艦から発射され、場所を特定しにくい特徴があります。

 同年6月22日のムスダンや、2017年5月14日の新型中距離弾道ミサイル「火星12型」発射などでは、通常よりも高い角度の弾道で打ち上げる「ロフテッド軌道」も確認されました。この軌道は一般的に迎撃にしくいとされています。

 そして、2017年には7月4日と7月28日の2度にわたりICBMを発射。28日は深夜の発射だったことも驚きを与えました。2度目のICBM発射の後、北朝鮮は米本土全域が射程圏内に入ったと言っています。

●さらなる挑発は

 北朝鮮は8月に入り、米領グアム周辺に向けて4発のミサイルを発射する計画を公表し、米トランプ政権との挑発合戦を繰り広げています。8月29日に弾道ミサイル発射、9月3日には6度目の核実験を行っていますが、昨年の9月9日には5度目の核実験を実施しました。北朝鮮のさらなる挑発が懸念されています。