セブンカフェ(「Wikipedia」より)

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 今年2月、セブンイレブンに新しいコーヒーマシンが導入された。そのマシンで淹れたコーヒーやカフェラテは、なかには人気コーヒーチェーン、スターバックスコーヒーのコーヒーやカフェラテよりもおいしいと評する人がいるほど。

 もともとセブンのコーヒーマシンは、一杯ずつ豆を挽き、ペーパーでドリップしており、他のコンビニよりもクオリティが高いといわれていた。しかし、従来のマシンはコーヒーしか入れられず、カフェラテはミルクを粒状に固めたアイスミルクビーズをあらかじめカップに入れて販売し、購入者がコーヒーを注いで溶かして飲むというものだった。

 そこでセブンは、機械内部にカフェラテ専用のミルクがセットできる新しいマシンを導入。これにより、コーヒーとカフェラテが一つのマシンで淹れられるようになった。

 そこで、フードコーディネーター・フードアナリストとして活動するかたわら、コーヒーの淹れ方などの講習会を行っている大谷和絵氏に、セブンとスターバックスのアイスコーヒー、アイスカフェラテを飲み比べていただき、味、価格などの観点で評価してもらった。

●コスパ良く、普段飲みに最適なセブンのコーヒー

「セブンのアイスコーヒーは、後味がすっきり。非常にコクがあって酸味がなく、苦味も少ないためごくごく飲めます。アイスコーヒー用のカップを買ってマシンで淹れますが、機械の前に立った瞬間からコーヒーのいい香りが感じられました。かなり売れているのか、アイスコーヒー用の豆はだいぶ減っていましたね。Rサイズで100円(税込み、以下同)、Lサイズ180円ですので、非常にコスパがいいと感じました」(大谷氏)

 評判通り、セブンのコーヒーはクオリティが高く、「普段飲みに最適」とのこと。続いて、スタバのドリップコーヒー(Iced)はどうだろう。

「スタバは豆を数種類の中から選べます。私はコクのある豆を選びましたが、セブンのコーヒーと比べると濃すぎる印象。夏の暑い日にぐいっと飲めるタイプではありません。豆を選択できるのなら、購入するメニューに合う豆のアナウンスがほしかったですね。価格もショートサイズで345円、トールサイズで388円と少し割高な印象です」(同)

 コーヒーに関する知識がある人ならば、自分で豆をチョイスすることができるだろうが、そうでない人にとってはやや不親切。コーヒー対決では、味に対する価格や飲みやすさという点でも、セブンのコーヒーが勝るという結果となった。

●セブンのカフェラテは改良の余地あり

 次に、カフェラテを飲み比べてもらった。

「セブンのアイスカフェラテは、アイスコーヒーと同じ豆を使用しているので、苦味が少なく飲みやすい。ただ乳脂肪分が少ないミルクが使われていて、パンチが抑えめ。カフェラテという表示の割には、ミルク分が少ないかなという印象です。Rサイズで180円、Lサイズで250円ですので、セブンで買うのならば私はアイスカフェラテではなくアイスコーヒーでいいと思います」(同)

 カフェ“ラテ”と名乗るには「さらなる改良が必要」だと語る大谷氏。では、スタバのカフェラテはどうか。

「スターバックスラテは、濃く出したエスプレッソをミルクで割っているので、淹れ方がそもそも違います。味としては、濃いめでコクのあるコーヒーを濃厚なミルクで割っているので、飲みごたえがある。コーヒーとミルクのバランスも絶妙で満足度が高く、カフェラテに関しては、多少値段が高くても私だったらスタバを選びます」(同)

 スターバックスラテはショートサイズが356円、トールサイズで399円と、セブン‐イレブンのカフェラテに比べてかなり割高だが、現時点ではクオリティに価格以上の差があるということなのだろう。

●コンビニとコーヒーチェーンは使い方が違う

 最後に、成長著しいコンビニコーヒーについて、今後の可能性を伺った。

「ローソン、ファミリーマート、セブンなど、どのコンビニもコーヒーのレベルは年々上がっていますが、そのなかでもセブンのコーヒーは突出していると思います。ただ、そもそもコンビニでコーヒーを買うのと、コーヒーチェーンに立ち寄るのは目的が違います。たとえば、セブンではお昼ご飯のついでにコーヒーを購入して、併設されているカフェスペースで食事と一緒にコーヒーを飲む。一方スタバは、店内のソファでくつろぐために利用したり、SNS用の写真を撮ったり、新作のフラペチーノを買いに来たり。つまり、コーヒーの味でお店を決めているわけではないんです。そういう意味でも、コーヒーチェーンの客をコンビニが取ってしまうとは考えにくく、今後は目的別に使い分ける方が増えてくるのではないでしょうか」(同)

 確かに、近年スタバなどで商品を購入し、店内で撮影した画像をインスタグラムなどのSNSにアップするという客はよく見られる。ということは、コーヒーチェーンはコーヒーを楽しむだけでなく、上質な空間と時間を提供し、日常を彩る役割を担っていると考えられる。

 それに対して、コンビニはあくまで商品がメイン。それ自体の出来が悪ければ、購入する人は減っていくだろう。セブンのコーヒーはコスパが良く、味も価格の割に評価が高い。だが、大谷氏が言うように、商品によってはまだまだ改善の余地が残っている。今後も消費者がより満足できる味を目指して、クオリティアップを図ってほしい。
(文=日下部貴士/A4studio)