ハリルホジッチ監督

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 FIFAワールドカップ2018ロシア大会出場を決めたサッカー日本代表だが、サッカー界全体が祝福ムードになっているとは言い難い。

 それが顕著になったのが、W杯出場を決めたオーストラリア戦後の記者会見だろう。会見場に現れたハリルホジッチ監督は、今後も日本代表監督を続けるかどうかは未定だと語り、記者からの質問には答えずに会見を終了させた。

 翌日、異例の会見を行った理由について「私と共に働いている人たちも少し焦っている部分がありましたし、私を攻撃しているメディアがあることも耳に入っていました。私の昨日の発言は、私を批判し、プレッシャーをかけた方に向けた」と、メディアに対する不満をぶちまけたのだ。

 批判されるのは代表監督の常であり、日本の監督批判がそこまで過激だとは思えない。いったい、何があったのだろうか? サッカーライターに聞いた。

「オーストラリア戦のメンバー発表の会見で、元日本代表の秋田豊氏が、W杯出場を懸けた大一番に経験の少ない若手を多数招集したことについて質問。監督は『私がベストだと思う選手が、きょう発表したリストだ』と反論しましたが、それに呼応するように、日刊スポーツが『オーストラリア戦に引き分け以下なら、解任か』といった記事を出し続けた。大手スポーツ紙は、日本サッカー協会(JFA)の意に沿わないような記事は書かない。つまりJFA、もしくはハリル周辺に反ハリル派が存在するということ。その証左として、スポニチはオーストラリア戦前の非公開練習の内容を、日刊スポーツはハリル監督の身内が末期がんであることをスクープしています。通常、周囲に情報提供者がいないと書けません。そういった状況に対し、『共に働いている人は焦っていた』と周囲をけん制し、そこから情報を得て自身を批判していたメディアに『批判してもいいが、ただでは済まないぞ』と警告したわけです」

 この会見を受け、ハリル監督を批判してきた大手メディアは、ファンから集中砲火を浴びている。また、批判派の急先鋒だったライターの木崎伸也氏の記事は炎上し、弁明を余儀なくされた。まさにハリル監督の狙い通りで、そんな彼の姿勢を称賛する声も上っている。が、この状況に、前出ライターは警鐘を鳴らす。

「もちろん、批判の展開に問題点はありました。ただ、だからといって、『W杯はハリル監督で』というのは早急すぎます。ハリル監督は相手の動きに合わせて対応していくリアクション戦術に優れた監督ですが、強豪国相手に同じようなサッカーができるか? また、南アフリカ大会のパラグアイ戦のように、日本を警戒してくるチームに対し、それを打ち破る戦術を持っているのか? 選手交代にも賛否があります。現段階で“ハリル万歳”モードになっているメディアにも、違和感を覚えます」

 ハリル監督を全面的に支持するメディアの中には、イビチャ・オシム元日本代表監督を崇拝していた媒体も見かける。志半ばで倒れたオシム元監督を、ハリル氏に重ねているようにすら映る。

 批判する側も、全面的に支持する側も、「ハリル監督で、日本を警戒してくるチームと対戦するグループリーグを突破できるか」を語っていないのが現状だ。
(文=TV Journal編集部)