右から大宮の松本大樹強化本部長、大宮入りする昌平高FW佐相壱明、大宮の西脇徹也強化部スカウト担当

写真拡大

 昌平高から大宮アルディージャへの来季加入が内定したFW佐相壱明(3年)の入団記者会見が7日、埼玉県北葛飾郡杉戸町の同校で行われた。

 会見には佐相のほか、大宮の松本大樹強化本部長と西脇徹也強化部スカウト担当、そして昌平の藤島崇之監督、同校の城川雅士校長も出席。大宮の松本強化本部長は「ストライカーとして、決めきるところの潜在能力を買ってオファーさせて頂きました」と獲得理由について説明した。

 特に大宮は彼の動き出しの部分を評価する。西脇スカウトは「相手の嫌なタイミングで動き出すプレーや、相手の逆を取るプレーはなかなか教えられるものではない」。西脇スカウトは今年2月にゴール前で怖れずにプレーする印象を持ち、チェックを重ねる中で動きの質が向上。そして、インターハイ後の8月15日と16日の2日間、大宮トップチームへの練習参加の機会を得た佐相はそこでアピールに成功すると、同20日に行われた大宮ユースとの練習試合で2得点1アシストの活躍を見せてその試合後に獲得オファーを受けたという。

 インターハイでプロ入りへのアピールをする意気込みだった佐相だったが、初戦敗退したことで高卒プロ入りの夢は遠のきかけることに。だが、訪れた練習参加のチャンスを“わずか2日間”ではなく「2日間あれば自分の持ち味を出せると思っていた」と前向きに捉えた佐相は、西脇スカウトも「結果を出したのは一つの大きなポイントだった」という練習試合の活躍もあってプロ入りを手繰り寄せた。

 昨年、昌平高からはMF針谷岳晃が磐田、MF松本泰志が広島へ加入。「2人が出たことでプロを身近に感じたので、プロになってやろうと」佐相のプロ入りへの意識は高まった。努力がホンモノになったのは、12月のプリンスリーグ関東参入戦で決定機を外してチームが敗れたことがきっかけ。練習後もひたすらシュートを打ち込んだFWは、今春に自身の成長を実感し、「自分のプレースタイル、自分の点の取り方も分かってきた」という。巧みな動き出しに加えてDFを背負ってからターンしてシュートへ持ち込む動きを武器に、インターハイ予選決勝でハットトリックを達成するなど対戦相手に怖れられるストライカーへと進化を遂げた。

 藤島監督の「これだけ伸びた選手も稀」という評価のほか、城川校長からの「とにかく集中力が凄い」「英検2級を取得している」というサッカー以外の特長も伝えられていた入団記者会見。兄の宏明さん(現慶應義塾大大学院)はトライアスロンで日本一になっている実力者で佐相も負けずに努力を続けて、英検2級、そしてプロ入りと目標を達成した。西脇スカウトも「努力を惜しまない」パーソナリティーへの期待を口にし、「(メンタリティーの)強い選手になるんじゃないか」と評していた。

 佐相は「小さい頃から大きな目標であったプロサッカーになるという夢を大宮アルディージャという歴史あるクラブで達成できたことを嬉しく思います。(今ある不安を) 自信に変えることができるように、これからも日々のトレーニングに一生懸命に取り組んでいきたい」と挨拶。夢のプロ生活を前にまずは昌平でやるべきことがある。それは、選手権で日本一を勝ち取ることだ。

 インターハイでは「勝てる」という慢心もあって逆転負け。それを繰り返す訳にはいかない。「最後の大会なので懸ける思いがみんな違うと思いますし、その中でも俺たちは勝たなければいけないと思っている。高校3年間の集大成として、しっかり地に足つけて戦っていきたい」。ライバルたちから厳しいマークを受けることは間違いないが、それを乗り越えてゴールを連発し、昌平を日本一へ導いて高校生活を終える。

(取材・文 吉田太郎)