入院中の妊婦、お腹の子とともに命を絶つ(画像は『South China Morning Post 2017年9月6日付「Pregnant Chinese woman who died after fall from hospital window ‘committed suicide’」』のスクリーンショット)

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中国陝西省の榆林市でこのほど悲劇が起きた。帝王切開を望む妊婦が家族に拒否され、病院から飛び降り命を絶ってしまったのだ。お腹の子も妊婦ともども死亡するというショッキングなニュースに、人々は怒りを露わにしている。『Beijing News』『Shanghaiist』『South China Morning Post』など複数のメディアが伝えた。

8月30日、榆林市第一病院に家族とともにやってきたMa(マー)さんは、すでに妊娠41週目を超えていた。医師らが診察すると、胎児の頭が通常よりも大きかったため自然分娩にはリスクを伴うことを伝え、帝王切開での出産を勧めた。

この日の病院側の記録では、マーさんと夫のヤンさんは自然分娩で出産することをインフォームド・コンセントの文書にサインしたことが明らかになっている。しかしあまりの痛みに耐えきれずに帝王切開を希望したのか、31日には病院の廊下でまともに立つこともできない様子のマーさんが、跪いて家族に帝王切開で出産させてもらえるよう懇願している姿が監視カメラに収まっていた。

中国では、法的に妊婦が帝王切開で出産するには家族の許可を得なければならず、マーさんは2度も部屋を抜け出し「これ以上の痛みには耐えられない」と家族に訴えていた。ところが家族は断固として自然分娩をするようにと主張した。願いを聞き入れてもらえなかったマーさんは午後8時頃に5階の窓から飛び降り、お腹の子ともども命を絶ってしまったのである。

警察ではこの事件を「自殺」と断定したが、どうやら夫側と病院側の主張には食い違いがあるようだ。『Beijing News』によれば、夫側は「病院側が帝王切開を拒否した」として「妻は痛みが酷くて耐えられないようだったので帝王切開を望み、私もそれを承諾しました」と話している。しかし病院側は「家族はマーさんのリスクを知りながらも3度にわたり帝王切開を拒否した」と主張した。

病院側の主張が真実だとすれば、マーさんの家族がなぜこれほどまでに帝王切開での出産を拒否したのかということが気になるところだが、その理由は明らかになっていない。『Shanghaiist』によると、中国ではかつて好きな誕生日を選択できるなどの理由で妊婦の50%近くが帝王切開で出産し批判の対象となっていたが、現在では35%と米国と変わらない割合まで下がってきているとのことだ。

このニュースを知った人からは、帝王切開を許可されず命を絶ってしまったマーさんへの対応が不十分だったと「性や生殖に関する女性の権利」を求める抗議の声や、「妊婦本人以外に誰にも主張する権利なんてない」「家族に非がある」「結婚した女性は子供を産むためだけの道具ではない」と怒りを露わにする声が相次いでいる。

画像は『South China Morning Post 2017年9月6日付「Pregnant Chinese woman who died after fall from hospital window ‘committed suicide’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)