お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、野田よう子さん(仮名・IT関連会社勤務・27歳)からの質問です。

「27歳会社員です。今勤めている会社がブラックすぎて、辞めたいと思っています。しばらく休みたいと思っているのですが、数か月でも、失業保険だけで生きていくことはできるのでしょうか……。また、失業保険がもらえないということはありますか?」

さっそく、森井じゅんさんに聞いてみましょう。

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自己都合の退職で失業給付を受けるための2つの条件

失業保険とは、雇用保険に加入していた人が失業してしまった場合に支給される制度です。一時的に、「職を失ってしまった方が、失業中の生活を心配することなく新しい仕事を探し、1日も早く再就職をしてもらおう」という目的のもの。

退職理由には大きく「会社都合」と「自己都合」があり、失業給付においては、これが大きなポイントになってきます。

会社都合とは、会社の倒産や解雇など強制的に退職させられた場合です。一方、自己都合とは、労働者側の意思や都合で退職を申し出る場合です。

失業給付を受けられるかどうかは2つ条件があります。相談者さんは、ご自身で退職を考えているということなので、自己都合の退職を前提にお話します。

条件のひとつ目は雇用保険の加入期間です。離職前の2年間に12か月以上雇用保険に加入していることが条件になります。

ふたつ目は、「失業の状態」にあることです。「失業の状態」とは、本人に就職する意思と能力があり、実際にハローワークで求職の申し込みを行ったり積極的に就職活動を行なっているものの就職できない状態です。病気やその他家庭の事情などにより、すぐに就職できないときや休養しようと思っている場合には失業給付を受ける事はできません。

つまり、相談者さんのように「休みたいから」という理由は、給付の条件から外れてしまうということになります。

最速でも初回の給付は退職から4か月程度かかる

それでは、給付条件を満たした場合、いつからどれくらいの期間、いくらくらい失業給付が受けられるのでしょうか。

失業給付を受けるためには、受給資格の確認、説明会への参加、そして失業認定などのステップがあります。また、自己都合の退職の場合には、3か月の待期期間があるため、失業給付の申請後すぐに給付を受けられるわけではありません。

書類や手続きに問題がなかった場合でも、初回の給付まで4か月程度かかります。

そして、失業給付をもらえる期間は加入期間により異なります。相談者さんの場合、1年以上10年未満の加入期間で90日の給付期間となります。

1年未満の加入期間では、失業給付はありません。

給付金額は、前職の給与の50%〜80%

失業給付の金額はどうでしょうか。給付金額は退職前6か月間の給料から計算されます。基本的に、賃金の日額の50〜80%に相当する額です。

仮に、相談者さんが直近2年間のうち1年以上勤務していて、6か月間のお給料が額面で月30万円程度であった場合、申請のタイミングなどによって初回の金額は変わってきますが、ざっくりと言えば3か月にわたり16万円弱を受けとることができます。

失業給付は離職届等を準備し、失業給付の申請をしてから約4か月後、「失業の状態」の認定を受けてからの振り込みになります。

相談者さんが、求職活動をしながら「失業保険で生活ができるか」というのは、まず、初回給付までの期間の生活の目途が立つかどうかです。そして初回給付以降については、ご自身の生活費と、この失業給付の概算額とで照らし合わせをしてみてください。

会社都合の退職勧奨と判断された場合、失業給付に違いが

 ここまで自己都合退職のケースを見てきましたが、会社都合の退職の場合はどうでしょうか。

会社都合の退職であれば、支給要件も緩和され直近1年間に6か月の加入期間になります。つまり1年未満の勤務でも失業給付が受け取れるのです。

また、初回の支給までの期間も短く、5週間程度で初回の給付になります。

支給期間も変わってきます。相談者さんは30歳未満なので、5年未満の加入期間で90日の失業給付を受ける事ができます。5年以上10年未満の加入期間では120日の給付になります。

「会社都合」と「自己都合」は失業給付を受けることを考えると、大きな違いがあります。

相談者さんは、非常に厳しい状況で勤務されているとの事。もし、退職を考えている理由が会社からの退職勧奨ということであれば、会社都合と判断されることもあります。

その厳しい状況を相談してみることも大切です。

相談者さんは、今の会社が辛くて辞めたくなっているのですよね。勤務状況などの、こまかいことは分かりませんが、失業保険だけが頼みの綱ではありません。

もし、うつ病などで仕事ができなくなってしまった、などという場合には傷病手当金などを受ける事も可能です。

まずは、ご自身の雇用保険の加入期間やこれまでの勤務状況を把握してください。それから、どんなサポートがあるかハローワークに相談してみることも検討してみましょう。

自分は「自己都合」で退職するつもりでも、「会社都合」と判断してもらえる場合もある。



■賢人のまとめ
自己都合の場合の失業保険の給付は条件つき。受給できるときでも、初回給付は最速で4か月後。失業保険のほかにも、サポートしてくれる制度があるので、ハローワークに相談してみることも検討してみましょう。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。