日本はサウジアラビアに0-1で敗れた

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[9.5 W杯アジア最終予選 日本0-1サウジアラビア ジッダ]

 W杯アジア最終予選は5日、最終節を行い、B組の日本代表は敵地でサウジアラビア代表と対戦し、0-1で敗れた。サウジアラビアは勝てばW杯出場が決まるが、引き分け以下なら3位に転落する大一番。すでにB組首位で6大会連続6回目のW杯出場を決めている日本に対し、6万2165人の大観衆の後押しも受け、勝利をもぎ取った。サウジアラビアはB組2位で3大会ぶり5回目のW杯出場が決定。オーストラリアが3位でプレーオフに回ることになった。

 日本はW杯出場を決めた8月31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(2-0)から先発4人を変更。中盤ではオーストラリア戦後に離脱したMF長谷部誠に代わり、MF柴崎岳が15年10月13日のイラン戦以来、約2年ぶりの先発。MF山口蛍がアンカーに入り、右前に柴崎、左前にMF井手口陽介が位置した。3トップは総入れ替えとなり、右にFW本田圭佑、中央にFW岡崎慎司、左にFW原口元気。本田がキャプテンマークを巻いた。[スタメン&布陣はコチラ]

 勝てばB組2位で3大会ぶり5回目のW杯出場が決まるが、引き分け以下の場合は3位でプレーオフに回ることになるサウジアラビア。約6万人収容のキング・アブドゥラー・スポーツ・シティは超満員に膨れ上がり、試合前の国歌斉唱から異様な雰囲気に包まれた。

 とにかく1点差でも勝てばいいサウジアラビアは前がかりになることなく、ピッチ上は静かな立ち上がりを見せる。前半11分、MFタイシール・アルジャッサムの右CKにDFオマル・イブラヒム・オスマンが頭で合わせるが、ゴール上へ。日本も同13分、左サイドを突破した原口からパスを受けた井手口が右足でミドルシュートを狙うもGKにキャッチされた。

 すり鉢状のスタジアム構造によりピッチ上は風がほとんどなく、蒸し風呂のようなコンディションの中、両チームともになかなか運動量が上がらない。前半28分には給水タイムも取られ、膠着した展開が続いた。日本は前半33分、柴崎の右CKにDF昌子源が頭で合わせたが、ゴールライン上でMFナワフ・アルアビドがクリア。同40分には柴崎の左FKからセカンドボールを山口が右足ダイレクトボレーで狙ったが、GKの好セーブに阻まれた。

 スコアレスで前半を折り返すと、日本は後半開始から本田に代えてFW浅野拓磨を投入。サウジアラビアも1トップのFWモハンメド・アルサハラウィを下げ、FWフハド・アルムワッラドをピッチに送り込んだ。前半から左サイドで原口、井手口、DF長友佑都の3人が近い距離を保ち、鮮やかなコンビネーションを見せていた日本。後半8分には井手口のスルーパスから長友が左サイドのスペースを駆け上がり、折り返しに原口が合わせたが、シュートはジャストミートせず、ゴール右に外れた。

 サウジアラビアも後半10分、後半から1トップに入ったナワフが右サイドから長友をかわしてPA内に切れ込み、シュート。決定的な場面だったが、至近距離でGK川島永嗣がビッグセーブを見せ、ゴールを許さなかった。それでも、ようやく訪れたチャンスに場内のボルテージは一気に高まる。すると後半18分、MFヤヒア・アルシェハリからフリーでパスを受けたアルムワッラドが右足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。

 ユニフォームを脱ぎ捨て、上半身裸になって喜びを爆発させるアルムワッラド。W杯出場を大きく手繰り寄せる先制点にスタジアムの観客も総立ちとなり、騒然とした雰囲気に包まれた。日本は直後の後半22分、岡崎に代えてA代表デビューとなるFW杉本健勇を投入した。同35分には最後のカードを切り、柴崎に代わってFW久保裕也がピッチへ。システムも4-2-3-1に変更し、山口と井手口のダブルボランチで、久保がトップ下に入った。

 日本も最後まで同点ゴールを目指して攻撃を仕掛けるが、サウジアラビアの選手は露骨な時間稼ぎに入る。そのまま0-1で敗れ、最終予選最終戦で2敗目を喫した。日本は6勝2分2敗の勝ち点20で首位。サウジアラビアが勝ち点を19に伸ばし、2位でW杯出場を決めた。オーストラリアは同じ勝ち点19ながら得失点差で劣り、3位。プレーオフでA組3位のシリアと対戦し、その勝者が北中米カリブ海予選4位チームとの大陸間プレーオフで最後の1枠を争う。

(取材・文 西山紘平)


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