初めて初日から休場する稀勢の里

 横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)も秋場所を休場する。師匠の田子ノ浦親方(41=元幕内隆の鶴)が7日、明らかにした。3月に左腕を負傷してから半年が経過しても、本来の力強い相撲は戻らないまま。“貴の二の舞い”となる可能性もあり、今回の休場が復活につながるかは不透明だ。

 この日、稀勢の里は東京・江戸川区の部屋で行われた稽古を欠席。師匠の田子ノ浦親方が報道陣の取材に対応し「休場させようと思います」と明かした。前日6日夜に師弟で話し合い、稀勢の里から「今場所は休場させてください」と申し出たという。5月場所と7月場所は途中休場。今場所は初土俵から初めて全休することが確実となった。

 今後は九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での復帰を目指すことになるが、気になるのは和製横綱のケガの深刻度だ。痛めている左腕に加えて、先場所は新たに左足首を負傷。秋場所の番付発表後は十両力士と相撲を取っただけで、土俵に入らない日もあった。過去2場所は幕内力士と稽古をしていただけに、かなり深刻な状態なのは間違いない。

 最大の問題は、今回の休場が復活につながるかどうかだ。3月場所で左腕を負傷してから、すでに半年近くが経過。左からの強烈なおっつけで相手をはじき飛ばす力強い相撲は、いまだに鳴りを潜めている。かつては横綱貴乃花が右ヒザのケガで1年以上にわたって長期休場した後、引退を余儀なくされた例もある。休場したからといって、誰もが万全の状態を取り戻せるわけではない。

 田子ノ浦親方も「休場したから次の場所で勝てるかと言えば、分からない。どこまでが“万全”なのか。勝ったら万全と言われるかもしれないけど、そこは難しい」と復活までの道のりの険しさを認める。「今まで通りではいけない。今まで以上に相撲も考えなければいけないし、体も鍛えないといけない」と技術と肉体の両面での“変革”を課題に挙げた。和製横綱は再び土俵で強さを取り戻せるか。