補強禁止のアトレチコが闘将と果たした約束 「誰も失うな」と愛弟子流出を阻止

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シメオネ監督がアトレチコと2年契約を延長

 アトレチコ・マドリードは今週、ディエゴ・シメオネ監督との契約を2年間延長した。

 レアル・マドリード、バルセロナとともに“3強体制”を構築するまでに至った親分肌の名指揮官の続投は、アトレチコにとって朗報となった。シメオネ監督はクラブ公式インタビューで「在籍しているどの選手も失うな」と厳命し、クラブがそれに応えたとスペイン紙「マルカ」が報じている。

 シメオネ監督は2011年に古巣アトレチコの監督に就任すると、現役時代のプレースタイルそのままに闘争心をチームに注入し、緻密な戦術で選手を束ねた。2013-14シーズンには、レアルとバルサの“寡占”が長く続いていたリーガ・エスパニョーラ覇権争いに風穴を開けてリーグ優勝を果たすと、UEFAチャンピオンズリーグでも二度の準優勝に導くなど、輝かしい成績を収めてきた。

 2020年までの契約延長に成功したクラブ側にとっては一安心といったところだが、シメオネ監督はしっかりと兜の緒を締めていた。

「今夏(FIFAから補強禁止処分を受け)どの選手とも契約ができなくなったと俺にクラブが伝えてきた時、俺が言ったのは『在籍しているどの選手も失うな』ということだった。実際それは起きたことだ」

近年のアトレチコを支える“鉄の結束”

 アトレチコはこれまで、活躍した選手をより資金力を持つクラブに引き抜かれていくケースが続いていた。シメオネ政権下でも、現在帰還を望んでいるスペイン代表FWジエゴ・コスタも一度はチェルシーへと去り、トルコ代表MFアルダ・トゥランはバルサへと去った。それだけにシメオネ監督は、近年頭角を現してきた愛弟子の死守を望んでいたという。

「サウール、グリーズマン、コケのような選手がクラブを去って他の選手が加わるか、誰とも契約できなくても彼らを去らせないようにするか、どちらがいいかと聞かれたら俺は後者を選ぶんだよ」ともシメオネ監督は語っている。「それが今もなお、俺がここにいる理由だ」と話した指揮官にとって、長年にわたって苦楽をともにした選手との“鉄の結束”こそが、チームにとって最も重要なものなのだろう。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images