ヴェンゲル監督にとっても、グレーな部分が多すぎるFFPは、チーム強化の妨げでしかない? このままだと、またひとつミシェル・プラティニ前UEFA会長の“遺産”が消えるのも、そう先の話ではなさそうだ。 (C) Getty Images

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 とどまるところを知らない移籍金バブルに、有名無実化したファイナンシャルフェアプレー(FFP)……。アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督は、現状が続くなら、FFPを撤廃すべきと訴えた。

 
 この夏、パリ・サンジェルマンが史上最高額の2億2200万ユーロ(約284億円)でバルセロナからネイマールを引き抜き、モナコからキリアン・エムバペも獲得した。レンタルを経て、来夏に史上2位となる1億8000万ユーロ(約230億4000万円)を支払う予定だ。
 
 FFPがあるにもかかわらず、巨額を投じた補強を続けるパリSGやマンチェスター・シティなど、一部クラブへの批判は絶えない。先日も、リーガ・エスパニョーラのハビエル・テバス会長が公然と非難している。
 
 両クラブは正当性を強調しているが、いずれにしても、巨額マネーが動いているのは事実だ。英紙『ガーディアン』によると、当初はFFPに賛成だったヴェンゲル監督も、「維持できるのか確信がない」とコメント。現在のサッカー界に対する投資の流れは止められないとの見解を示した。
 
「今はまだ、巨額投資が始まるところに過ぎないのかもしれない。サッカーは、世界で最もパワフルなスポーツになった。それは、投資への扉を完全に開かなければいけないということだろうか。今は、作ったルールが守られていないと思う。守られないルールを作るほど最悪なことはない」
 
「おそらく、我々は分岐点におり、考えなければいけない。イングランドで投資したいと願う中国やアメリカの人たちに対し、完全な自由を保証するべきなのか。もし、プレミアリーグを世界最高のリーグに保ちたいなら、間違いなくその道を進まなければいけない」
 
 さらにヴェンゲル監督は、「FFPを撤廃したいのか」との問いに、「そう思う。法律的な抜け道が多すぎるからだ」と答えている。
 
「少なくとも疑問視すべきだ。今は、中国のクラブを買い、そこで選手たちを獲得して他のクラブに売り、それからここイングランドに彼らを連れてくることができるみたいだ。FFPの抜け道をくぐることができるんだよ。今のFFPは、遵守させられるほど強いルールだという確信が持てない」
 
 経営の健全化を第一の目的に生まれたFFPだが、運用方法が変わらないのであれば、ヴェンゲル監督が言うように撤廃すべきなのだろうか。