厚労省は9月7日、労働安全衛生調査の結果を発表した。働く人の約6割が何らかのストレスを抱えていることや、雇用形態によってストレスの内容が異なることが分かった。

正社員のストレス源1位は「仕事の量・質」

調査は事業所と労働者それぞれに実施。仕事に関して「強いストレスになっている事柄がある」と感じている労働者は、59.5%と、前回2015年度の調査時より3.8%増加した。

ストレス源は1位「仕事の量・質」(53.8%)、2位「仕事の失敗・責任の発生等」(38.5%)、3位「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」(30.5%)だったが、就業形態別に見ると別の傾向も出ている。正社員では「仕事の量・質」(56.7%)が最多で、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」(39.1%)、「会社の将来性」(27.5%)が上位に来た。

しかし、臨時・日雇労働者らの回答で最も多かったのは「仕事の失敗、責任の発生等」(79.2%)で、次が「対人関係」(28%)、「雇用の安定性」(27.6%)と、正社員や全体の結果と差異が見られる。雇用期間に限りがある臨時・日雇労働者たちにとって、いかにミスを発生させず雇われ続けるかという仕事の継続性は重要で、かつ、大きな不安材料になっていると推測できる。

ストレスを感じたとき相談する相手がいる人は全体の91.1%で、そのうち実際に相談した人は85%だった。多くは友人や家族、上司や同僚に話をしているようだ。相談を通してストレスが解消された人は31.7%ほどだが、「解消されなかったが、気が楽になった」と、相談の効果を感じた人は60.3%に上った。

メンタルヘルス対策は、ストレスチェックで集めたデータの活用が課題

多くの労働者がストレスを抱えている一方、41.5%の事業所ではメンタルヘルス対策を取っていないことも明らかになっている。対策として最も多かったのはストレスチェック(62.3%)だが、これは、2015年12月から50人以上の事業所でストレスチェックが義務化された影響だと見られる。

しかし、調査結果が出た後、部や課など集団ごとの分析を行ったのは、ストレスチェックを実施したうちの43.8%と半数以下に留まっている。このうち、業務配分や人員体制の見直しなど具体的な対策を取ったのは69.2%だった。多くの事業所ではストレスチェックで集まったデータを活用しきれていないのが現状のようだ。

今回調査対象となった事業所は、「製造業」「サービス業」など17の産業で、常用労働者を10人以上雇用する民営事業所から無作為抽出した約1万4000か所。労働者は、これら1万4000か所の事業所に常用雇用されている人、及び派遣労働者として働く人から無作為抽出した約1万8000人を対象としている。有効回答率は、事業所が68.9%、労働者が56.1%だった。