8月の「チャイナリスク」関連倒産は3件(前年同月比40.0%減)で、4カ月連続で前年同月を下回った。2016年12月以降、9カ月連続で一ケタが続いている。
 負債総額は96億6,800万円(同680.3%増)で、2016年4月以来、4カ月ぶりに前年同月を上回った。中国在住の人物と共謀し大がかりな循環取引に手を染めたATT(株)(TSR企業コード:032028687、東京都)が8月28日、89億9,800万円の負債を抱え東京地裁より破産開始決定を受け、負債総額を押し上げた。
 2017年1〜8月累計では、件数が34件(前年同期比53.4%減)、負債総額は288億7,500万円(同46.4%減)とそろってほぼ半減、チャイナリスク関連倒産は小康状態が続いている。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、8月は1件だった(前年同月は1件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

 8月の最大の倒産となったATTは、スマートフォン用フィルムの開発が難航し資金繰りに窮したことから中国在住の協力者が経営する企業を活用し、大掛かりな循環取引を行った。納入先が中国の取引だったため、最終納入先への訪問などが後手に回り、複数の企業が循環取引に巻き込まれた。
 中国に限らず海外企業との取引には商慣習の違いや在庫確認の難しさなど、様々なリスクがつきまとう。契約書の精査や取引状況の定期的なチェックなども求められている。