カメラを持つ人(2014年3月29日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ブラジル人の戦場カメラマンで国連(UN)委託の仕事をし、人助けが好きでサーフィンを楽しむエドゥアルド・マルティンス(Eduardo Martins)──。

 これまで、中東、アフリカなどから写真が投稿されていた彼のインスタグラム(Instagram)のアカウントには、約12万人のフォロワーが付いていた。

 だが、「エドゥアルド・マルティンス」という戦場カメラマンは実在していなかった。これまでに投稿された写真や映像は、危険を冒して実際にイラクなどで活動する写真家の作品を盗み加工したものだった。

 詐欺行為は数年間にわたって続いたが、今はインスタグラムのアカウントも消え、残されたのはこの「エドゥアルド・マルティンス」なる人物が誰だったのかという疑問のみだ。

 マルティンス名義の写真は英BBCやゲッティイメージズ(Getty Images)など世界的な報道機関で使用された。写真は、編集・反転された画像となっていたため、盗用発見ソフトを用いても摘発することができなかった。

 BBCが今週明らかにしたところによると、BBCブラジルへの寄稿者である中東在住のジャーナリスト、ナターシャ・リベイロ(Natasha Ribeiro)氏に連絡してきたことをきっかけに、その身元に関する疑惑が浮上したのだという。

 リベイロ氏は、イラクで仕事をしているブラジル人ジャーナリストのなかで、誰も「エドゥアルド・マルティンス」という名前を聞いたことがないと分かり、何かがおかしいと気づいたと話す。さらに、過去に仕事をしたと主張していた国連やその他団体でも同様の答えが返ってきたとされる。

 AFPの取材に応じた匿名希望のカメラマンは、「エドゥアルド・マルティンス」なる人物から突然連絡をもらい、写真を世に出す手助けをしたいとオファーされたことがあると話した。

 サーフィン専門誌のためにこの謎のカメラマンをインタビューしたことがあるというジャーナリストのフェルナンド・コスタネット(Fernando Costa Netto)氏によると、彼は自らをサンパウロ(Sao Paulo)生まれの32歳、髪はブロンド、目はブルーと説明したという。

 また、戦場カメラマンとして写真を撮影し、その合間にパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の子どもらにサーフィンを教えていたとも話していたとされる。この話を信じた人たちからはたくさんのメッセージが寄せられていたようだ。

 18歳の時に白血病を克服したとしている「エドゥアルド・マルティンス」。私的な連絡先を明かすことを嫌い、いつも通信環境の悪い場所にいた。

 コスタネット氏がこの謎のカメラマンに最後に連絡したのは、別の記者が詐欺の可能性を指摘した翌日だった。すると「やあ兄弟。今僕はオーストラリアにいる。世界中を1年間バンで旅行することに決めたんだ。インターネットを含め、すべての連絡を絶つよ。静かに過ごしたいからね。戻ってきたらまた話そう」とのメッセージを受け取ったという。
【翻訳編集】AFPBB News