By raymondclarkeimages

Amazonでは、マーケットプレイスに出品されている商品に対する権利侵害の訴えがあった際に販売を停止する措置が取られることがありますが、ある出品者が本当には存在しないニセの法律事務所から届いた訴えをもとに販売を停止され、20万ドル(約2160万円)に相当する損害を受けていたことが明らかになりました。

Amazon was tricked by fake law firm into removing toothbrush head

https://www.cnbc.com/2017/09/07/amazon-was-tricked-by-fake-law-firm-into-removing-toothbrush-head.html

身に覚えのない権利侵害を訴えられて損害を被ったのは、Amazonで歯ブラシなどの商品を販売している「Brushes4Less 」というショップです。2017年7月のAmazonプライムデーが始まる直前、Brushes4lessはAmazonから同社の主力商品である、電動歯ブラシ用の交換ヘッドの販売を停止する通知を受けました。Amazonから届いたメールには、停止の理由が「知的所有権の侵害」であると記されていたとのこと。Amazonで一番の稼ぎ時となるプライムデーのタイミングを逃すわけには行かないと、Brushes4lessはメールに記載されていた訴え元の法律事務所に連絡を取ったとのこと。

そこでBrushes4lessは驚きの事実に直面します。記載されていた法律事務所は、アメリカ・ピッツバーグにある「Wesley & McCain」という名の法律事務所で、現在はアクセスできなくなっているウェブサイトには5人の弁護士が業務にあたっていると写真付きで記載されていたとのことですが、実際にはミズーリ州にある全く関係のない別の法律事務所、「Brydon, Swearengen & England」に所属する弁護士だったことが判明しています。



また、記載されていた電話番号もニセの番号だったことがわかり、さらに弁護士事務所の所在地もピッツバーグにある別の事務所「Robb Leonard Mulvihill」のものだったことなどが次々と判明。Brushes4lessのオーナーは匿名を条件にCNBCの取材に答え、「たった5分調べるだけでこの法律事務所がニセモノだということがわかるのに、Amazonはまったくそれを調べる気すら持たなかった」と、Amazonがウソの訴えにだまされて店舗の最も稼ぎ時である時期に主力商品の販売を停止した、と主張しています。

Brushes4lessは売り上げの大部分をAmazonに依存しており、年間売り上げは200万ドル(約2億2600万円)にのぼっています。そんな中、Brushes4lessの訴えによると同社は年間売り上げの1割にもおよぶ損害(機会損失)を被ったとのことで、これはもう完全な営業妨害に値するレベル。事実、Amazonにはこの手のニセの訴えが多く届いており、その多くはライバル企業から届いていると話している関係者もいる模様。Amazonにおけるブランド保護を手がける「Dynamic Tech Solutions」のPaul Dworianyn氏は「事実上、誰でもサイトのボタンをクリックしてAmazonに対して訴えを起こせる状況になっています」と語っています。



Brushes4lessの訴えが認められ、商品の販売が再開されるまでには約2カ月を要しており、その間に発生した損害について同社は20万ドル(約2160万円)と見積もっています。また、販売が停止されていた間も商品はAmazonのフルフィルメントセンターに在庫されていたため、別ルートで販売する対策も叶わなかったとのこと。

AmazonはCNBCの取材に対し、「Amazonでは詐欺行為を禁止しています。もし悪意のある行動によって当社のシステムが悪用されていることを発見した場合には、セラーを含む当社のカスタマーに替わって迅速に対応を取ります。もしセラーが、Amazonによる調査が必要と考えた場合には、当社は直接コンタクトを取って適切な行動が取られるための対策をとっています」と回答しています。