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VRが社会に及ぼす影響の調査

VRを教育や学習に取り入れる以外にも、VRが社会全体に及ぼす影響の研究も進められている。UC Institute for Prediction TechnologyでInstaVR制作アプリを使用して禁煙VRアプリケーションを制作した。VR体験後のユーザーのフィードバックを集めるだけでなく、Google Cardboardヘッドセットを使っている最中に人々が注目していた場所に関する実際の情報を収集することができた。VRの体験後に360度動画のどこにどれだけの時間、注目が集まったかがヒートマップに重ねられ表示される。記憶というものは無意識に偏見を受けるものであることから、こうしたVRによる記録からは有用な学術的情報を得ることができる。

この特定のケースでは、研究者はVR禁煙アプリの体験後のユーザーから、どこに視点を最も集めてるかという情報により、どういったところがユーザーの目を引きやすいかを知ることができる。この調査から得られた情報は、VRが実生活での習慣を変えることに役立つかどうかも分かってくる。

ここ12ヶ月間で大学のクライアントによって構築されたほかのInstaVRにより、VR体験が感情を効率的に動かすことができるかを判別するためのアプリや、患者に関わるセラピストが順応するためのアプリ、オーストラリアの大学生が仮想的なフィールドトリップをするためのアプリ、学生ジャーナリストによるニュースを360度映像で見る取り組みなどがある。

VRが高度教育の現場で伸びるための核は、既に授業で学んだ技術の内容を拡張し、より参加型のものにすることだろう。従来の心理テストでは対象に仮想シナリオを出し、「もし自分が同じ状況に置かれたらどうする?」という問いかけを行う。そうした他人の立場に立ったと想定するためには大きなギャップを乗り越えなければならないわけだが、VRはこの橋渡しをし、出されたシナリオが本当にどのような感じなのかを、できる限り現実的に感じさせるものである。VR体験の中にいる対象に対して質問することや、体験者が何に最も反応したのかをヒートマップを見ることで、従来の実験よりも精度の高いデータを得ることができる。

 

色々なものを参加型に

VRがさまざまなものを参加型にする点でいえば、これは学生にとっても講師にとっても利点があることだ。講義はやはり重要なものだが、ローマ遺跡へのバーチャルフィールドトリップといったマルチメディアを使った物はより記憶に残りやすく、また学生の定着率もより高くなるだろう。VRは学生が自分の好きな冒険を選び、マルチメディアを使ってより深く知りたいに踏み込んでいくことを可能にする。確かにカイロ・ドイツ大学の例は、学生達にとってPowerPointのプレゼンテーションよりも記憶に残る経験となったことは確実だ。

結局のところ、高度教育の学校に浸透するかどうかは、新しい技術に前向きな教授がいるかどうか、学生がイニシアチブを取るかといったところに大きく依存する。360度カメラは普及が進んだことから低価格化が進み、InstaVRなどのWebベースの編集ソフトによりアプリの配布も簡単になった。次に母校を訪ねた時に、教室にいる生徒全員がGear VRやGoogle Daydreamヘッドセットを身につけていても驚かないように。

著者はSan Franciscoに拠点を置くInstaVRの営業部門の責任者である。InstaVRはVRに特化したテクノロジー企業であり、プロフェッショナル達がインタラクティブなVR体験を作るためのツールやサービスを提供している。InstaVRは完全にWebベースであり、特別なエンジニアリングの知識を必要としない。2016年の登場以来、1万社以上によって多くのiOS, Android, Web, Gear VR, HTC Vive, Oculus Rift, Google Daydream向けの360度アプリが作られている。さらなる詳細やInstaVRプラットフォームにアクセスするには、https://www.instavr.coを参照。

この記事はVRシリーズの一部である。VR企業431社を取り巻く概況図の高精細版はこちらからダウンロード可能だ。

ANDREW WOODBERRY
[原文4]