オーストリアの首都ウィーンのホーフブルク王宮前の対テロ防壁の建設現場(2017年9月7日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】オーストリア政府は7日、首都ウィーン(Vienna)の首相府の周囲などに設置される予定だったテロ対策用の壁の建設工事を中止すると発表した。国民を守らず自分たちだけを優遇していると批判が高まっていることを受けたもの。

 テロ対策用のコンクリート製の壁は、首相府と大統領府が入る歴史あるホーフブルク王宮(Hofburg Palace)の周囲5か所に設置される予定で、建設工事は先月始まっていた。費用は150万ユーロ(約1億9600万円)。

 防壁はそれぞれ長さ8メートル、高さ80センチ、厚さ1メートル。ここ1年間に欧州各地で発生したような車を使ったテロ攻撃にも耐えられるように設計されている。

 しかし10月15日に総選挙を控える中、このプロジェクトについて、野党勢力からはクリスティアン・ケルン(Christian Kern)首相に対する激しい怒りの声が上がっていた。

 先月スペインでイスラム過激派が自動車とナイフを使って16人を殺害した事件が起きたにもかかわらず、オーストリア政府は国内の主要観光地にテロ対策用の建造物を設置することを拒否していたからだ。

 オーストリアの有力紙クローネ(Krone)は今週、「国民は放置して自分たちだけ?」という見出しで怒りを表現した。

 同紙は「国民は(政府から)人通りの多い歩行者専用区域への治安対策は現時点で必要なく、やりすぎだと繰り返し言われてきたのに、政府はいったい何を恐れているのか?」と批判している。

 オーストリアはこれまでのところフランス、ベルギー、英国、ドイツで起きたような大きな攻撃を免れているが、当局は2014年以来、対テロ作戦を強化している。
【翻訳編集】AFPBB News