『和食屋の「だし」おかず』(笠原将弘/主婦の友社)

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 人気和食店「賛否両論」の店主で、テレビでもおなじみの笠原将弘氏による「笠原流 簡単だし」で作る料理70品が紹介された、『和食屋の「だし」おかず』(笠原将弘/主婦の友社)が発売となりました。家庭でも手軽にとれるようにと編み出された「笠原流簡単だし」なら、こぶとかつお節、水を一度にすべて鍋に入れて煮て、こすだけ。こぶを水に浸しておいたり、沸騰する前にこぶを引き上げたりする手間もなく、何より時間がかからず、気楽にできて、家庭料理なら十分においしく仕上がるというのです!

 本書には「笠原流 簡単だし」を使った和食の定番おかずのみならず、洋風や中華風のおかず、炊き込みごはん、汁物などバラエティに富んだ料理のレシピが掲載。ハードルが高そうと及び腰になりがちだった「だしを取る」ことがうんと気軽になり、一気にレパートリーが増えそうです。

■肉のコクがだしに溶け込み、れんこんが受け止める 豚バラれんこん(P.14)

 まずは一章の、だしでおいしい絶品おかずで紹介されている煮物の中から、豚バラれんこんを作ってみました。豚バラをごま油で炒め、れんこんと長ネギを油がなじむ程度に炒めたら、だし、しょうゆ、みりんを加え、落しぶたをして15分ほど煮ます。ポイントは素材を炒めてから煮ること。肉のうま味が野菜にまとわり、煮崩れ防止にも。豚バラの脂がしっかりとした味のダシに溶け込み、さらにれんこんにも浸み込んでくれます。れんこんは1cmの半月切りで、かなりの厚みですが、コクのあるこの料理にふさわしく、食べごたえ満点。仕上げの黒コショウもパンチが効いていて、ごはんのおかわり必至の一品です。

■だしたっぷりのふんわりジューシー だし巻き卵(P.38)

 和食には味付けの黄金比率があり、本書では味が決まるだしと調味料の比率も教示してくれています。だし巻き卵の味決め比率は、だし36:薄口しょうゆ1:砂糖1。これにより卵3個にだし90ml、薄口しょうゆ、砂糖各小さじ1の卵液を作ります。だしをたっぷり含んだだし巻き玉子はやわらかくて、じゅわ〜と口いっぱいに満ちていきます。甘さ控えめのやさしい味ですが、何もつけなくても、冷めてもなお美味しいです。うまく巻くのはちょっと難しいですが、外側がしっかり焼けてから巻きはじめるのがいいようです。しょうゆや砂糖が少なめなので、焦げにくいからじっくり焼いていきましょう。

■だしが素材を引き立てる上品な 小松菜と大根のおひたし(P.51)

 シンプルだからこそ、だしそのものの味と調味料の割合が大事なおひたし。こちらもおひたしの味決め比率に沿えば大丈夫。鍋にだしと薄口しょうゆ、みりんを入れて沸騰したら、小松菜と大根を加え、再び沸騰したら火を止めて、冷まします。あら熱がとれたら、冷蔵庫でおくこと1時間以上。拍子木切りにした大根にまだ火が通りきっていなくても、だしの余熱によって火が通ると同時に味もしみていき、透き通った大根がきれいです。白ごま少々も上品な味に風味を添えてくれます。

 料理にだしを使うと、だしに含まれる「うまみ」によって満足感が大きく、調味料も控えられ、健康にも良いので、見直されているそうです。「笠原流 簡単だし」だと、こぶとかつおのうまみを一緒に煮出すことで、よりしっかり出ているので、調味料はさらに抑えるられるように思います。まずは「笠原流 簡単だし」から始まるだしライフで、だしの香りに包まれる幸せを実感してみてください。

文=早川いづみ