7日、史上最大の撤退作戦を描いた映画「ダンケルク」。クリストファー・ノーラン監督の最新作は中国でも今月1日から上映されているが、英紙テレグラフ(電子版)は4日、中国でこの映画をボイコットする動きが出ていると伝えている。資料写真。

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2017年9月7日、史上最大の撤退作戦を描いた映画「ダンケルク」。クリストファー・ノーラン監督の最新作は中国でも今月1日から上映されているが、中国メディアの参考消息網によると、英紙テレグラフ(電子版)は4日、中国でこの映画をボイコットする動きが出ていると伝えている。

その理由は、「悲惨な撤退」が「中国の価値観」に合わないとの批判が出ていること、そして、1940年代のダンケルクの奇跡を指揮したハロルド・アレクサンダー大将が美化されすぎているというものだ。中国では数千人の中国人兵士を死亡させた人物として軽蔑されている。

中国の雑誌「新週刊(New Weekly)」は、「ダンケルク」と中国のアクション映画「戦狼2(Wolf Warriors 2)」を比較し、「戦狼2」について「中国のヒーローが、爆発のやまない戦場で西洋の悪人から数百人の命を救うという愛国心に満ちたアクション大作は、完全な勝利を描いている」と評した。一方で「ダンケルク」については「そこに描かれた悲惨な撤退は、伝統的な中国の価値観とはまったく合わず、興行収入も好ましくない」と切り捨てている。

「ダンケルク」の主要人物の1人であるアレクサンダー大将は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の主要な戦いの多くで輝かしい功績を上げている。だが彼は、1942年にビルマ(ミャンマー)からの英国、中国、米国の部隊の撤退に関わったことで、中国の一部から数万人の中国軍兵士の死亡を招いたと批判されている。

中国のネット上では、この映画のボイコットを要求するスレッドが多く立てられ、「アレクサンダー大将の成功は、中国の遠征軍の血と骨の上に成り立っている」との書き込みもみられる。

英国の歴史家、ラナ・ミッター氏は「人々が覚えておかなければならないことは、英国と中国の軍隊が米国と共にどのようにして究極の勝利を達成するために戦ったかだ」と指摘している。(翻訳・編集/柳川)