パレットを貨物に見立てたテストコースで、床面と貨物との位置関係をレーザーで検知して半自律飛行するドローン(写真: 日本通運の発表資料より)

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 日本通運は7日、キャノンマーケティングジャパン、プロドローンと共同で、ドローンの倉庫内活用に向けた実証実験を8月24日に実施したことを発表した。非GPS下の環境にある倉庫内での在庫管理や警備において、最新鋭のドローンを活用し、現状の技術レベルと課題を確認したという。倉庫内を半自律で飛行するドローンからカメレオンコード(高速・高精度の複数認識が可能なカラーバーコード)を近距離で認識する技術としては世界初だとしている。

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■実験内容とその成果、課題

 実験内容としては、貨物から一定の距離を保持した自律飛行や、飛行時におけるカメレオンコードの認識、警備を想定して超高感度多目的カメラの撮影などを実施。半自律飛行の実現、カメレオンコードの読み取り、照明を落としたなかでのカメラによる対象物の認識と、各々の成果を確認できたという。課題としては、完全自律飛行実現に向けたドローンの前後方向の移動や、コードの読み取り精度の更なる向上が挙げられたという。

■非GPS環境下での課題克服

 一般的にドローンはGPSを基に自分の位置を把握し、自律飛行を実現させている。倉庫や流通施設内においてはGPSが上手く作動しないことから、室内におけるドローンの自律飛行が課題となっていた。こうしたなかカメラやセンサー装置を軸に位置情報を把握する飛行技術が研究されてきた。今実験でも床面と貨物との位置関係をレーザーで検知することで半自律飛行を実現させている。

■プロドローン社とは

 今回の実験において共同実験を担ったプロドローン社は、愛知県に本社を置く産業用ドローンシステムメーカー。主に産業用ドローン市場に参入するドローンメーカーやサービスプロバイダに対して、様々なドローン開発を行ってきた。

 16年には世界初のロボットアーム搭載ドローンを発表するなど、他社の追随を許さない高度な技術力には定評がある。他の産業用ドローンメーカーで実現不可能であった高難度の案件を次々と具現化することで、産業用ドローン市場内では注目を集めてきた。

■今後のドローンとは

 今後、ドローンは人工知能やセンサー技術、画像認識技術、ビッグデータ処理技術などと更なる融合が期待されている。そうしたなか大手半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)も非GPS下でのドローン飛行に成功し、6月には実験の様子を公開している。

 公開された映像ではドローンそのものは緩慢な動きであるが、深層学習やコンピュータビジョンの使用により、GPSが定まらない森林の中を安定的に飛行している。今後は、トンネルの鉄道線検査や水中通信ケーブルのチェック、損傷した建物内の生存者発見など実用化に向けて更なる実験を重ねていくという。

 一方で、ドローンに関しては法による規制やバッテリー不足、カメラ映像によるプライバシー侵害、通信用の電波喪失など課題が山積みなのもまた事実である。こうした負の側面と照らし合わせながら、今後も技術的に革新が進むドローンの行方に注目をしていきたい。