瀬戸内海の港町として古くから栄えた尾道と福山・鞆の浦を舞台に現代アートを展開するイベント「海と山のアート回廊」が16日、開幕する。

 豊かな自然と歴史に現代アートという要素を持ち込んだ新たな観光資源を生みだそうと、県や尾道、福山両市などが初めて企画した。11月12日まで。

 ノスタルジーにあふれた風景に恵まれると同時に現代アートの拠点として注目されつつある二つの港町を結ぶ“回廊”をめぐるアートツーリズムを体験し、現代アートの魅力を知ってもらおうという試み。廃校になった中学校の校舎を改装したアートベース百島や鞆の津美術館など8会場を中心に、約2カ月間にわたって44人の現代アート作家が立体作品やパフォーマンスなどを公開する。

 尾道市立美術館では10月22日まで、「現代アート、はじめます。草間彌生からさわひらきまで」のテーマで、独特な水玉模様で知られる草間氏の作品などを展示。百島では、尾道出身の山本基(もとい)氏が10月18日から20日にかけて、床の上に盛った塩で描くインスタレーション作品を制作し、21日から公開する。

 折元立身(おりもとたつみ)氏による住民参加型のパフォーマンスもあり、9月23日には顔に何本ものフランスパンをくくりつけた住民ら30人がJR尾道駅前から渡船で向島に渡り、商店街まで練り歩く「パン人間」という代表作を繰り広げる。10月7日には生口島の瀬戸田港で地元のお年寄りたちと食事をする「島のおばあさんのランチ」が予定されている。