今夏はレナト・サンチェスの移籍で揺れていたバイエルン・ミュンヘン。そんななか1人の男が、カール=ハインツ・ルメニゲCEOへ電話をかけていた。「まずは聞いてみないと、なんの結果も得られるものではない」そう考えていたその人物こそ、かつてカルロ・アンチェロッティ監督の下でACを務めていた、現スウォンジ監督のパウル・クレメント氏だったのである。

決して勝算があったわけではない。それは電話をしたことで特に変わったわけでもなかった。「そのときには、ルメニゲ氏から本当にたくさんのオファーが届いているんだと聞いたからね」とクレメント監督。

しかしながら、さらに「数週間前のことだが、私はカルロ・アンチェロッティ監督に電話をしてね」と明かした同氏は、「そこでうちが獲得できる可能性がある選手がいるかどうかを聞いたんだ。そして出てきた名前が、そのレナトだったんだよ。最初は本当に難しいことだと思ったが、でも最終的に獲得できたときは本当に嬉しかったね」と振り返った。

そのスウォンジのライバルとなった相手こそ、ユベントスやリヴァプールといったそうそうたる面々だったのだが、いったい何が争奪戦を制する要因となったのだろうか?まず1つのポイントとしてあげられるのは、スウォンジは他クラブとは異なり買い取りオプションを求めなかったことにあるだろう。

そしてもう1つは、そのような強豪クラブでは「バイエルンと同様の状態に陥る可能性があった。試合の4・5割程度しかプレーできないかもしれなかったんだ。バイエルンは定期的な出場を求めていたし、私も彼を定期的に使いたいと思っている。ただそれを約束するわけではないが」とクレメント監督は説明。その結果、まるで不可能のようにもみえたレナト・サンチェス獲得を、スウォンジ・シティはまんまとやってのけたのである。