生誕130年を記念して開かれている「吉田享二博士展」=新温泉町

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 北但大震災(大正14年)で壊滅した城崎温泉(豊岡市城崎町)の復興に尽くした新温泉町出身の建築家、吉田享二氏(1887〜1951年、旧姓・宮脇)の生誕130年記念として、新温泉町の先人記念館・以命亭で、「日本建築材料の父 吉田享二博士」展が開かれている。

 吉田氏の回顧展は初めて。20日まで。

 吉田氏は旧照来村多子(おいご)出身で、東京帝国大学で建築学を学び、卒業後は早稲田大学で建築材料学、都市計画などを講義。早大教授、日本建築学会長などを務め、生涯に渡って耐水や耐火、耐震建築を追求した。

 当時、宮脇家は照来村の豪農で、祖父が「但馬聖人」とたたえられる池田草庵に学ぶなど、代々、学問を重んじる家風が吉田氏を学問の道に進ませた。

 北但大震災では、城崎温泉の復興を目指す当時の城崎町長の西村佐兵衛氏が早大出身だった縁で、吉田氏や岡田信一郎早大教授に復興計画などを依頼。吉田氏らは城崎に赴き、一の湯やまんだら湯、城崎小学校の建築などに尽力した。

 吉田氏については、これまで新温泉町でも知られることはなかったが、地元の「地域教材工房」の阪本善行さんが但馬の近代化遺産を学ぶ中で知り、先人の大きな業績を掘り起こした。

 会場では、吉田氏の肖像写真、手がけた建築物の写真や著作、「早稻田学報」(昭和26年)に掲載された吉田氏の訃報のコピーなど貴重な資料を展示している。問い合わせは以命亭(電)0796・82・4490。