埼玉県警熊谷署が開いた犯罪情報の住民提供に関する協議会で、6人の犠牲者に黙祷をささげる出席者=7日、同県熊谷市宮町

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 埼玉県熊谷市で6人が殺害された事件の発生から14日で2年を迎えるのを前に、県警熊谷署は7日、犯罪情報の住民提供に関する協議会を同市役所で開いた。

 防災行政無線や市のメール配信で不審者などの情報発信が増加傾向にあることなどが報告され、メール配信の登録者の拡大が今後の課題として確認された。

 事件をめぐっては、同署で事件前に事情を聴かれていた容疑者が逃走した際、近隣住民に不審者情報の提供や注意喚起がなかったことが問題視された。これを受け、平成27年12月に同署と同市、同市自治会連合会が、市民への犯罪などに関する情報の円滑な提供を軸とする協定「熊谷モデル」を締結。年1回以上協議会を開くことになっている。

 同市での協定締結を皮切りに、28年6月までに県内39警察署と63市町村で同様の協定が結ばれた。

 同市役所で開かれた協議会には、伊古田晴正同署長、富岡清同市長ら約20人が出席し、会議の冒頭で事件の犠牲者へ黙祷(もくとう)をささげた。

 協議会では、防災行政無線による不審者などに関する情報が昨年度は5件だったのに対し、今年4〜8月で12件になるなど増加傾向にあると説明。同市などによると、群馬県大泉町でベトナム人が職務質問を振り切って逃走し、熊谷市内で確保された事件については、防災行政無線で3回、同市のメール配信で4回情報が流されていた。

 一方で、メール配信の登録者数が協定締結時の27年12月に1万2424人だったのが1万5650人と増加したが、微増傾向が続いているため、今後も戸別訪問などを通じて登録者を増やしていくという。

 ■熊谷6人殺害事件 平成27年9月14〜16日、埼玉県熊谷市の住宅3軒で男女計6人が男に相次いで刃物で襲われ殺害された。県警は殺人などの疑いでペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(32)を計3回逮捕。さいたま地検は強盗殺人、死体遺棄、住居侵入の罪でさいたま地裁に起訴した。