『黒革の手帖』(テレビ朝日系)は、原口元子(武井咲)が銀行から1億8千万を横領し、銀座にクラブ「カルネ」をオープンさせ、作品タイトルでもある“黒革の手帖”に記された借名口座を使い、銀座の高みを目指していく物語だ。

(参考:武井咲『黒革の手帖』はなぜ成功した? 女優キャリアと重なる、悪女役のリアリティ

 楢林クリニック院長の楢林謙治(奥田瑛二)、大手予備校「上星ゼミナール」の理事長である橋田常雄(高嶋政伸)をターゲットに、巨額の資金と料亭「梅村」を奪ってきた元子。銀座を牛耳るほどの富と地位を手に入れ、のし上がってきた元子であったが、第7話では自分が“籠の中の鳥”であったことを知り、一気に奈落の底へと叩き落されることとなる。そこに救いの手を差し伸べるのが衆議院議員秘書の安島富夫(江口洋介)だ。

 政財界のフィクサーであり業界の首領、長谷川庄治(伊東四朗)に対し、元子は銀座イチのクラブ「ルダン」を3億円で買収したいと申し出る。しかし、長谷川と約束した期日に契約金の残金を支払えなかったことで、「ルダン」はおろか「カルネ」までも差し押さえられてしまう。新しい支配人には、銀行時代の元上司、村井亨(滝藤賢一)、新しいママには山田波子(仲里依紗)が送り込まれる。安島から紹介された弁護士にも、通う銀座の美容室にも見放され、行き場を失った元子。銀座という“籠”はすでに長谷川という“飼い主”のものであった。籠の中で、どんなに羽ばたいても飼い主には逆らえない。場合によっては殺されてしまうのだ。

 武器であった手帖も奪われたところに、階段を踏み外し病院に入院することになった元子。そこに現れるのが安島だ。長谷川の下で汚れ仕事を引き受け、安島は現在の地位を築いてきた。しかし、惹かれ合うものを感じ、一線を超えた仲へと発展する元子と安島。父の死後に母が背負った借金を相続し、どん底を味わってきた彼女にとって、彼の「信じて諦めなければ夢は必ず叶う」という言葉はあまりにも眩しく、共感し合うものをもっていた。

 手帖に変わる切り札として安島は、元子に一枚の封筒を手渡す。勝利を確信した元子は、“未来のママ”としてルダンに訪問。次週、最終回ではフィクサーの長谷川を始め、元子に落とし込まれた人物たちが一気に牙を剥く。元子はどのような逆転劇で、銀座のトップへと上り詰めようというのだろうか。

(渡辺彰浩)