日本は終盤に杉本(15番)を投入してゴールを目ざしたが、サウジ守備網を崩すには至らなかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 アジア・サッカー連盟(AFC)がジッダ決戦の明暗を分けた勝負のポイントを、公式ホームページ上で解析した。
 
 9月5日のワールドカップ・アジア最終予選、サウジアラビア対日本の一戦はホームチームの前者が1-0でモノにした。見事3大会ぶり5回目の本大会出場を決めた大一番。AFCの技術部門は「ファン・マルバイク、勝利を掴んだ鍵とは?」と題し、いくつかの注目点を上げながら戦評を展開した。
 
 まずは、後半開始早々のサウジの選手交代だ。
 
「前半の日本は明らかに主導権を握って優位に試合を進めていたが、ハーフタイムを挟んで一気に機能性が低下した。(サウジの)ベルト・ファン・マルバイク監督がもっとも重要な交代のカードを切ってきたからだ。運動量が乏しく、まるで仕事していなかった前線のモハメッド・アルシャラウイに代えて、ダイナミックなプレーが身上のファハド・アルムワッラドを投入。即座に変化が訪れた」
 
 HP上に描かれたのはフォーメーションマップで、ファハドを示す19番のマークが点在。彼が45分間でプレーした場所を表わし、その大半が左サイドから前線にかけてのエリアだった。ここが攻略ポイントだったとAFCは指摘する。
 
「ファハドは左サイドに流れてナワフ・アルアベド、ヤヒア・アリシャフリらアタッカーと密な距離を取りながら、数多くボールに絡んだ。日本は捕まえ切れず、サウジはそこを突破口に主導権を握っていったのだ。ゴールはファハドとナワフの連携から生まれている」
 
 日本はマーキングにズレが生じ、決勝点の場面でもファハドを封じきれなかったということか。
 
 さらに、サウジが思っていた以上にポゼッションで日本に凌駕されなかったとして、陰の立役者に挙げたのが33歳のベテラン司令塔、タイシル・アルジャシムだった。
 
「2006年ワールドカップでメンバー落ちしたアルジャシムが、いぶし銀の輝きを放っていた。日本のバイエルエリアを中心に右、左、中央と効果的に顔を出してパスワークを絶やさず、パスの成功率は87パーセントを誇った。彼がほぼボールを失わず、黙々と任務を遂行したことで、周囲が思う存分動けたのだ。とくに後半は日本の守備の歪みを上手く突くポジショニングでポゼッションをリードし、ボールを走らせて日本を大いに疲弊させた」
 そして最後にゲームのハイライトとしたのが、日本から見た左サイドでの攻防。日本の原口元気と、サウジの右SBヤシル・アルシャハラニのマッチアップで、後者が一歩も引けを取らなかったのが大きかったと分析した。
 
「両チームとも中盤はとてもコンパクトで、中央部は選手が密集してほとんどスペースを見つけることはできなかった。そんななかでクローズアップされたのが原口とヤシルが争ったサイド。前半のサウジは劣勢に立たされたが、ここの攻防で持ち堪えられたのが後半の反撃につながったのだ。ヤシルは臆することなく前に打って出た」
 
 分析記事ではピッチ上におけるヤシルのヒートマップを掲載。日本から見ての左サイドで、ハーフウェーラインから日本の陣地にかけてのエリアがもっとも色濃く描かれている。SBのヤシルが果敢に攻め上がっていたことを示した。
 
 後半スタートからのファハド投入、33歳司令塔のソツのない働き、そして右SBヤシルの積極性。AFC技術部門はこの3つを、日本戦勝利のキーポイントとしたのだ。

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