本当に大切にすべき「普通の暮らし」とは何なのでしょうか? 今一度家計をシンプルにして考えてみましょう。

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「普通の暮らし」を守る家計管理

家計相談でどんな生活を送りたいですか?と聞くと、多くの方が、「普通でいいんです。普通で!」「お金持ちになりたいとかではなく、普通に困らない生活を送りたいんです。」と。

どこを普通と定義するのかは個人差があるでしょうが、共通して言えるのは、借金に追われることなく、収入の範囲内で生活ができて、ある程度の貯蓄がある状態を言うのだと思います。しかし、現実は住宅ローンや車のローン、奨学金や教育ローンといった借金に追われ、生活のゆとりや貯蓄が無い方が増えているのだとも感じます。

住宅も車も教育も必要なものでしょう。しかし、長期のマネープラン無しでは、すぐに生活のお金が無くなり家族は路頭に迷う事になるでしょう。そのマネープランを立てるには、「家計管理」はとても大切なテーマになります。

家計をシンプルにする

もしあなたが今、どのように家計を管理していけば良いのか迷い悩んでいるのであれば、まずはお金とシンプルに付き合うことから始めましょう。インターネットが普及し多くの情報やテクニックが溢れる現代では、それらに翻弄され結果的に管理しにくい家計になってしまっている方も多く見受けられます。

今一度基本に戻りシンプルな家計を作るところから始めてみましょう。シンプルな家計とは収入の範囲内で「衣食住」を賄えて、少々の蓄えがある状態です。

■先取り貯蓄を習慣付ける
収入の一部を先取り貯蓄し、残ったお金で生活をする。このリズムをまずは習慣付けていきます。

■住まいにかけるお金は高額になりすぎないように
「住まい」は家計に中で一番大きな割合を占める固定費になりますので、高額にならない事が大切です。見栄を張ってしまうとその後の家計がとても苦しいものになります。

■食費は料理の腕と食材の目利きが大事
「食費」は限られた食費の中でバランスの取れた食事にする為にも、料理の腕を上げる事が大切になります。また新鮮な食材を見極める目や食材の値段の相場観を養う事も大切です。

■身に付ける物は見栄を張らずにメリハリを
「衣類」や身に付ける物は、メリハリをつけることが大切です。つまり、お金をかけるべき物とそうでない物を区別し、商品を選択することが大切です。例えば靴やバッグ、時計、スーツやコートにはお金をかけ、毎日着るインナーなどにはお金をかけないというようなやり方です。そして、流行にとらわれ過ぎない物を選び長く大切に扱うことが大切です。

「住まい」や「衣類」などは「見栄はコストなり」という言葉の通り、見栄を張れば張るほどお金がかかるものです。ゴージャスな家に住んだり、ブランド物に身を包んだとしても、家計が赤字にってしまって生活はすさんでしまいます。反対に生活のレベルを落としたからといって、その人の価値が下がるわけではありませんね。

■基本は「にこにこ現金払い」で
クレジットカードや電子マネー等、支払い方法も多様化しています。収入の範囲内で生活をして貯蓄ができる状態に持っていくまでは、現金だけで生活するようにしましょう。

「梅」でも当たり前の生活は充分送れる

現代人は豊かで物に溢れた生活を送っている為、「安かろう悪かろう」という考えの元に、「松・竹・梅」と選択肢がある場合ほとんどの人が「松か竹」を選び一番安い「梅」を選ぶことはありません。しかし、本当にそれが正解でしょうか?

これらは売り上げを伸ばす為のマーケティング手法でもあります。もし生活費が足りない場合は見栄など張らずに「梅」を選んでみる勇気を持ってください。「梅」でも十分当たり前の生活はできます。もし「梅」で十分とわかれば、それに対する生涯コストはぐっと下がり、生活に余裕が出ます。

その他、生活に関わる費用も「消費者」としての眼力を養い、収入や予算の範囲でやりくりする習慣を身に付けていくようにしましょう。

情報やテクニックに翻弄されない

世の中には「こうすればお得!」といったテクニックや情報に溢れています。収入の範囲内で生活をして貯蓄ができないまま、色んなテクニックに走るのは、歩く事もできないのにダンスを踊ろうとするようなものです。

一歩一歩少しずつ家計管理の腕を上げてください。人生には色んな試練が訪れます。例えば東日本大震災では多くの人が「普通の暮らし」を奪われた事はまだ記憶に新しいでしょう。しかし、どんな状態になってもしっかりとした家計管理の腕を持っていたら、「普通の生活」は最低限守られ、そこから試練に立ち向かう勇気や強さ、知恵が生まれることでしょう。
(文:二宮 清子)