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群馬大病院で、肝臓の腹くう鏡手術を受けた患者が相次いで亡くなった問題で、遺族会とその弁護団は9月7日、執刀医と診察科長(いずれも当時)に対して医師免許の取消しなどの行政処分を求める要望書を厚生労働省に提出した。遺族の1人は「的確な処分が下されることを願っている」とコメントした。

群馬大病院では2014年、腹くう鏡をつかった肝臓の手術を受けた患者8人が、術後4カ月以内で亡くなっていたことが発覚した。ほかにも、肝臓などの開腹手術で患者が亡くなるケースが相次いでいたこともわかり、第三者調査委員会による調査もおこなわれた。その結果、旧第二外科による手術36例(死亡事故)すべてに「何らかの診断の不備がある」と指摘されていた。

今回の要望書では、執刀医と診察科長の診療について「明白な注意義務違反行為や職業倫理上の義務をはたしていない行為が長期間にわたり継続的に認められる」「現時点の態度にも職業倫理上の問題点が顕著である」として、医業の停止や免許の取り消しなど含む行政処分を求めている。

弁護団によると、今回のような医療過誤をめぐっては、刑事処分のあとに行政処分が下されることになっており、刑事処分のないまま行政処分が下されるケースは前例がないという。この問題はまだ刑事事件化していないが、弁護団は「行政処分の意義が問われるケースだ」としている。

●遺族「人間としての倫理観も欠けていると感じた」

要望書提出後、遺族会と弁護団が東京・霞が関の厚生労働記者クラブで会見を開いた。遺族会の代表で、80代の父親を腹くう鏡手術で亡くした40代男性は「(2人は)全然反省していない。今までの行為を見直しもしない。処罰も反省もなく、引き続き医療行為をおこなうなど、元の状態に戻ってしまっては困る」と話した。

また、遺族会のもう一人の代表で、20代の妹を開腹手術で亡くした30代男性は「遺族の思いがまったく伝わっていないと感じた。医師として働いてもらいたくない。人間としての倫理観も欠けていると感じた」「前例を覆してでも、処分されるべき事案だと思う。厚労省には前向きに検討していただきたい」と述べた。

(弁護士ドットコムニュース)