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●目指したのは"街のリビング"--こだわり空間でクリエイティブを刺激する

江戸時代には大名家の下屋敷や蔵屋敷が並ぶ武家屋敷街だった町、東京・日本橋浜町。古くからの町並みと新しいビルなど新旧が共存し、働く人に加え、小さな子どもがいる世帯も含めた住人など、さまざまな人々が行き交うこのエリアに、9月9日、複合ビル「Hama House(ハマハウス)」と、クリエイティブ心を刺激するショップを備えた「HAMA1961(ハマ1961)」が誕生する。

○住居地やホテルも踏まえた再開発

隣合う両ビルは、東京地下鉄半蔵門線「水天宮前駅」から徒歩5分。日本橋浜町は安田財閥の創設者である安田善次郎氏が明治より開発を進めてきたエリアであり、現在、安田不動産は日本橋浜町再開発として、「トルナーレ日本橋浜町」(同社開発はオフィス棟)や「日本橋浜町Fタワー」「日本橋安田スカイゲート」といった大型オフィスやレフィールシリーズをはじめとした分譲マンション開発を展開。更なるにぎわいと個性の創出を目指して2015年よりリノベーションを開始し、それに呼応した飲食店3店舗が随時開業した。

飲食店3店舗のひとつ、木の温もりを感じる隠れ家的な蕎麦屋「浜町かねこ」は、「ミシュランガイド東京2017」において「ビブグルマン」に選ばれた名店だ。「谷や 和」もまた隠れ家にぴったりな空間だが、こちらでは讃岐うどんを天ぷらとともにいただきたい。本格的な料理とワインが堪能できる立ち呑みフレンチ「富士屋本店 日本橋浜町」は、先の2店舗とちょっと雰囲気が異なり、店内の鮮やかなブルーがなんとも涼しげである。

今回の「Hama House」「HAMA1961」も、同社が進めるリノベーションに続くものであり、今後の開発では、ホテルや住居などを備えた「(仮称)日本橋浜町 3-20 計画」(2019年2月開業予定)、ソーシャルアパートメントを備えた「(仮称)日本橋浜町 3-17 計画」(2019年春開業予定)が控えている。

○身体に優しさを、感性に刺激を

9月9日に開業する「Hama House」は、この街の新旧住民や働く人、街を訪れる人たちが集う場所としての"街のリビングになる場所"をコンセプトにしている。全面ガラス張りの開放感あふれる1階は書店兼カフェ、2階はキッチンスタジオ兼同ビルを展開している「good mornings」の本社オフィス、3階は個性あふれるクリエーターが集うスモールオフィス、そして屋上には、会議も可能なルーフテラスが広がっている。

1階は、片面はガラス張り、もう片面は本棚というフォトジェニックなデザインが特徴。カフェだけだと注文しないと滞在できないが、あえて書店にすることで、もっと気軽に人が憩える場所になればという想いも込められている。

カフェでは8時〜21時の間、モーニングからランチ、アフタヌーンとさまざまシーンに合わせたメニューを展開。産地にこだわったコーヒー(450円)は今後、シングルオリジンも取りそろえる。ランチタイムには全国各地の生産者から仕入れた、自慢の野菜をふんだんに使ったデリやランチボックス(850円〜)を、カフェタイムには身体に優しいスムージー(650円)を。また、ビール(650円〜)やワイン(650円〜)のほか、ここでしか飲めない希少な日本酒(650円〜)もそろえるため、夜は夜でじっくり楽しみたい。

開業時に備えている書籍は2,000冊程度。もちろん、これらは全て購入できる。今後はさらに書籍数を増やしていくとのことだが、その書籍を見てみると、美術や料理、そしてサイエンスなどと、統一性がなかなか見つからない。書籍のコンセプトについてgood mornings代表取締役の水代優氏にうかがったところ、目指したものはコミュニケーションのフックになるものやクリエイティブを刺激するものとのこと。ジャンルを超えた本棚を通じて、新たな"化学反応"も期待できそうだ。

1階のスペースは人が集える空間を目指して構想・デザインされており、様々なイベントも開催する。9月15日〜10月16日の初回は、Web・書籍・TVCMなど多方面で活躍中のイラストレーターのHama-House氏とのコラボを実施。10年間の活動で初となる個展のテーマは「EAT」で、今回の個展に合わせて書き下ろしたイラスト20〜30点を中心に約1カ月に亘り展示する。オリジナル瓦煎餅やペンケースなど、今回の「EAT」のための限定品も登場し、期間中は限定メニューも予定している。また、10月には熊本県菊池市の秋のとれたて新米&野菜カフェを、11月にはルクセンブルグ政府とのコラボによるオリジナルカフェも開催する。

2階はgood mornings事務所やミーティングスペース、オープンキッチンがあり、普段はgood morningsスタッフや3階クリエイターのワークスペースとして、会議室や貸し切りでのスモールイベントを開催する。3階には5部屋からなるスモールオフィスを設置。フォトグラファーやデザイナー、編集者など多彩な顔ぶれが入居する。

メンバーの誘致はgood morningsが担い、クリエイティブさを日本橋浜町に加えることで、また新しい町の魅力が生まれることに期待しているという。さらに、屋上には芝生が敷きつめられており、気軽に憩える空間として、休憩スペースのほか、食事や屋外会議室としての利用を狙っている。

●information

Hama House

住所: 東京都中央区日本橋浜町3-10-6

カフェ営業時間: 平日8:00〜21:00(L.O.20:00)、土日曜日・祝日10:30〜18:00

定休日: 不定休

席数: 1階21席、2階18席、RF15席

続いて紹介するもうひとつの「HAMA1961」は、昭和36(1961)年に建てられた建物が元になっており、天井には当時の木材を生かすことで、日本橋浜町の伝統を受け継ぐ空間に仕上げている。

●日本通のデザイナーたちが世界で2店舗目となるショップを開業

○デザインがもたらす豊かな日常

「HAMA1961」の1階には、ペーパープロダクトやステーショナリーを中心に展開するパリ発の「PAPIER TIGRE(パピエ ティグル)」のショップを展開。2階は同店のオフィスとなる。

パピエ ティグルはパリを拠点にデザイン・制作・販売を担うブランドで、パリのオフィスにはショップも併設している。今回の日本橋浜町のショップは、スタッフが大の日本ファンであることもきっかけとなり、世界で2店舗目となるショップとして展開することになった。パピエ ティグルは9月9日にプレオープン、9月28日に正式オープンとなる。

展開するペーパープロダクトやステーショナリーは、現代的でシャープなデザイン、豊かなカラーバリエーションで、日常に華やかさをもたらしてくれるものばかり。今回、日本で展開するにあたり、あえてラインナップしたのが有田焼の食器だ。今後、同店限定グッズなども展開を予定している。

○お茶をじっくり深く味わう

また、パピエ ティグルのこだわりと日本の心を映す空間を目指し、シングルオリジンの日本茶を提供するティーハウス「Salone de the PAPIER TIGRE」(通称: ティーグル)も併設している。オープン時には九州や埼玉、静岡の農園から、完全無農薬有機で栽培された12種類のお茶(580円〜)を取りそろえる。

お茶にあわせてもてなす和菓子(お茶代+500円)は、日本橋浜町やその周辺地域のお店のものとなる。お茶はサロンで楽しむほか、物販(パック1,280円〜、缶1,980円〜)にも対応しているので、気に入った味はぜひお土産に。また、ランチメニュー(お茶代+600円)も展開する。

●information

PAPIER TIGRE

住所: 東京都中央区日本橋浜町3-10-4

営業時間: 11:00〜19:00(L.O.18:30)

定休日: 日・月曜日

席数: 1階12席

「Hama House」と「HAMA1961」の開業準備中の時にも、周辺住人から「なんだか素敵そうなところね。がんばってね」という応援を受けたことがあると開発担当者は話してくれた。歴史ある日本橋浜町で起きる新しいイノベーションが、どのように人々を魅了し巻き込んでいくのか、今後の展開にも期待したい。

※価格は税別